2000.12.22号 07:00配信





温泉に関しての6回目

今回は単純温泉 二酸化炭素泉 炭酸水素塩泉についてです。

1単純温泉

「常に34℃以上の泉質で固形成分および遊離炭酸の含有量が、水1リットル中1000ミリグラムに満たないもの」成分が薄く身体に対する刺激が柔らかく入りやすいので高齢者にも向く。適応症の幅もひろく、神経痛・筋肉痛・関節のこわばり、冷え性・慢性消化器病と多く、微量成分の違いにより2〜9の成分泉の性質に近いものがあり、古くからの名の通った温泉も多い。

2二酸化炭素泉

炭酸泉のことで「泡の湯」ともいわれます。日本では少なく(欧州には多い)炭酸ガス溶解度は高温で減少するので冷泉が多い。血管拡張作用があり高血圧に良い。保温効果もありリウマチ・更年期障害・不妊症に効果がある。飲泉では胃腸蠕動亢進作用にて、胃弱・胃下垂・食欲不振・便秘に効果がある。

3炭酸水素塩泉

俗にアルカリ泉とも呼ばれているものが多く、重曹泉としての名の方が親しまれている。皮膚の表面を軟化させるので皮膚病や切り傷・火傷にも効く、また皮膚が滑らかになるので「美人の湯はこの重曹泉に多い。飲泉としては酸中和作用にて食前に暖めて飲めば胃潰瘍・十二指腸潰瘍に効く。胆汁分泌促進もあるので肝胆膵の動きを活発にし慢性胆嚢炎・糖尿病に効く。痛風・慢性尿路炎症にも効く。吸入は痰の切れを良くし慢性気管支炎咽頭喉頭炎に効く。

4塩化物泉

日本で一番多く、海に近いのが特徴です(昔々海の底にあって現在は海から離れているものもあります)。塩化イオンとナトリウムイオンが主成分でこの結合の塩分が入浴すると肌にまとわりつき汗の蒸発を防ぎ保温効果が高く「良く温まる」「熱の湯」といわれる温泉が多い。但し、源泉温度は15〜6℃の温泉が有ったり、95℃以上の温泉が有ったりいろいろです。温熱効果により血行改善により神経痛・筋肉痛・慢性関節リウマチ・肩こりなどの疼痛疾患や冷え性に良く。切り傷・打ち身・ねんざ・ひび割れ等にも効き古くから武将の湯とか傷ついた動物が入りに来るなどの言い伝えが有るものもあります。飲泉では胃酸分泌促進作用があり、吸入では慢性咽頭炎・気管支炎に効くとされている。但し、塩分を含んでいるので高血圧・腎臓病・心臓病の人は飲泉は避けたほうが良い。泉水1リットル中に食塩1g以上5g未満の泉を弱塩化物泉といい、高齢者・虚弱体質・病後の体力低下の人向きである。

5硫酸塩泉

飲むと独特の苦味があるので苦味泉とも言われる。陰イオンの硫酸イオンと結合する陽イオンの種類により、Naイオンなら芒硝泉(ナトリウム−硫酸塩泉)、Caイオンなら石膏泉(カルシウム−硫酸塩泉)、Mgイオンなら正苦味泉(マグネシウム−硫酸塩泉)となる。効能は3泉共通に血管拡張と血行改善効果による高血圧・動脈硬化に効く。正苦味泉はさらに脳卒中後のマヒの改善や外傷に効き「中風の湯」・「傷の湯」とも言われる。芒硝泉には慢性便秘や肥満に効き、外傷にも効く。飲泉としても胆汁分泌促進・腸蠕動亢進作用があり、胆道疾患・便秘に効果有り、糖尿病・痛風にもよい。石膏泉には慢性リウマチ・・打ち身・捻挫・切り傷・痔にも効き、Caの鎮静作用により皮膚病の慢性湿疹・・乾癬・ニキビ・掻痒感に効く。飲泉としては芒硝泉とほぼ同じであるが、苦味が少ない。

6鉄泉

鉄の結合状態により炭酸鉄泉と緑礬泉に分けられる。源泉は透明であるが時間とともに酸化して鉄さび色に変色する。従って源泉に近いほど効果が強くなる。入浴により皮膚からも鉄が吸収されるので鉄欠乏性貧血に良く、じっくり温まる性質もっているので婦人科の更年期障害・子宮発育不全やリウマチ類似疾患・慢性湿疹にも効く。飲泉としてはより源泉に近いものが良く、鉄欠乏貧血に効く。

のこり3泉は次回へ
白熊でした。

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