2000.7.31号 06:00配信





今日は、白熊です。前回に引き続きアップします。
対応状況を少々アップします。

◎溺水

溺れて意識が無く、呼吸・脈拍等も無い、もしくは、微弱の場合、直ちに救急蘇生のABCを行ってください。マンガやドラマなどで水を吐かせる事を見かけたりしますが、救急蘇生には効果がなく時間の無駄です。1分1秒でも早く蘇生を行ってください。

特に溺れた場合は、お風呂等暖かいお湯を除き、普通水温は体温より低く、身体全体も冷えており、脳の組織が守られていることが多く(実は救急蘇生のABCはA〜IまでありHにhypothermia:低体温が脳保護目的に入っています)ただし、衣服が濡れたままに蘇生を続けていると、今度は体温が低下しすぎますので、処置をしながら乾いた衣服や布に着替えさせてください。

通常の心肺停止からの蘇生より、成績がよいのです。ですから海岸・川辺等救急隊到着に、時間がかかっても根気よく蘇生を続けてください。

意識はないが呼吸・脈拍とも大丈夫なら、濡れた衣服を着替えさせ、昏睡体位にして時々意識・呼吸・脈拍を確認しつつ、体温低下にも注意して、救急隊を待ちましょう。意識がしっかりしていたら、着替えさせて十分な保温に注意し、病院に運びましょう。

◎日射病・熱射病

意識がはっきりしていて、体温があまり上がっていなければ日射病。

意識がはっきりせず、体温が上昇していたら熱射病として、処置してください。

夏の蒸し暑く風の少ない日は要注意です。また室内においても、高温多湿の場所での作業中は注意が必要です。

◎日射病

直ちに風通しのよい木陰など、涼しい場所へ、移動させ横にさせます。
呼吸が楽なように衣服を緩めます。
水分をとらせます。(水・食塩水・スポーツイオン飲料など)
むやみに冷やしすぎず、患者さんが涼しくて気持ちがいいと、言う感じる程度にします。
無理をせず早めに病院へ運びましょう。

◎熱射病

直ちに救急隊に通報しましょう。非常に重篤になりやすいです。
救急隊到着までに、できれば30℃位の体温より低い、ぬるま湯をかけ、団扇や扇風機等で、風を送り冷やしましょう。ただし、時々体温を測って、冷やしすぎには注意をしましょう。
呼吸・脈拍が微弱・低下ならすぐに、蘇生法を実施してください。

◎ヒキツケ・ケイレン

自分で舌を噛み切ることは、通常はありませんので、頑強に歯をくいしばっているのを無理やり、開け広げようとして、指を噛まれたり(時として指を噛み切るぐらいの力が働きます。)逆に歯を折ったりしないようにしてください。

窒息防止のため気道を確保します。

上述したように、無理に口に何かを噛ませる必要はありませんが、どうしても心配なら割り箸に、ガーゼかタオルを巻いたものを噛ませるとよい。衣服を緩め、昏睡体位(意識の確認の項参照)にし嘔吐に注意します。出来るだけ早く病院へ連れていきましょう。

◎熱傷

すぐに熱傷部位を水で冷やす。直接流水をかけてもよいし、タライ・洗面器に流水をそそぎながらでもかまいません。

★広範囲なら命に関わりますので、すぐに救急隊に通報し病院に運んでください。

冷やす時間は軽ければ数分間でよいが、重症と思ったら30分以上冷やし、すぐに救急隊へ通報し病院へ行ってください。

十分な冷却によって、ある程度熱傷面の拡大と炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。

(注)
衣服の上から熱湯等をかぶったら、脱がさずに衣服の上から冷やすこと。冷やしたあと脱ぎにくい衣服は、ハサミ等で切取り、無理には剥がさないでください。
(注)
水ぶくれは絶対剥がさないでください。細菌感染を起こすもとになります。いずれの場合も出来るだけ早く病院へ連れていきましょう。


さて、次回からはなにか別の取り上げをいたします。
皆様の、ご意見をお待ちしています。
sirokuma@webnews.gr.jp


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