2000.8.14号 09:00配信





今日はみなさん、しろくまです。
かなり、詰まっている状態ですので(自分事です−申し訳ありません)少々早いですが、暇々にインフルエンザのことをお伝えします。

まず、昨年の資料(資料は全てNikkei Medical 1999.11です)ですが、高齢者にとって、非常に猛威をふるったことがあらわれています。

人口動態調査によると、昨年1月〜3月のインフルエンザ関連の死亡者は1287人で70歳以上の高齢者が、その8割を占めたことが報告されています。

しかし、直接の要因だけでの報告ですので、インフルエンザが誘因となって悲しい結果となったことを勘案すると、すなわち、肺炎や、心不全などのことですが、万単位の方々が死亡されたといわれています。


また、インフルエンザ感染者のうち65歳以上の3割の方が、肺炎を併発しています。

インフルエンザは、肺炎や心不全だけを、併発する病ではありません。インフルエンザ合併症の脳炎や脳症の罹患被害も深刻です。厚生省の統計では、昨年1月〜3月の報告数は217例にも上っています。そのうち、後遺症の残った方々は、ほぼ半数に上っています。ここで、深刻さの視点は、後遺症が残った中で、5歳以下の乳幼児が、その8割を、占めていたということです。実際には、217人中、完全回復が86人、後遺症56人、観察中17人、死亡58人という報告でした。とっても残念な数字のあらわれかたです。


そこで、では実際に、昨今新聞誌上等で取り上げられる機会の多かった、ワクチン効用についてのお話になります。

私は、少なくとも効果はあると考えています。ワクチン接種により100%の予防効果を期待し、かなうと言う訳ではありません。がしかし大阪府福祉部による高齢者に対する調査で、高齢者の発症・重症化・死亡の全てにワクチンの有用性が、表現されています。





また、乳幼児の脳炎や脳症に関しては、厚生省の報告にワクチン接種者の発症報告は、一人もいませんでした。

注意深く観察していただきたいのは、インフルエンザに続発する、重症合併症の犠牲になりやすいのは、乳幼児や高齢者のハイリスク群です。

どんなに早期に発見しても、治療しても、発症後の対応では後手に回ってしますのです。私は、軽減効果という視点で、ワクチン接種の有用性を、上記の効果と考えているのです。大きな声で(ここでは声になりませんけれども)シーズン前からワクチン接種で防衛しましょう。と言いたいです。

もうひとつ、それは、乳幼児や高齢者の方々は、お一人で生活されているわけでは無いと思います。罹患被害の最小化を考えましょう。同居されている、小児・成人の方も、家族単位全体の防衛策として必要ではないでしょうか。

インフルエンザの流行は、その最盛期を受験シーズンに向かえることも、よく知られています。受験生とそのご家族にもお考え頂きたいものです。

素晴らしい健康に対する、コストの一部ですよね、みなさん。



皆様の、ご意見をお待ちしています。
sirokuma@webnews.gr.jp


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