2000.10.30号 07:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊
「食と生活の記録」より/by 西村淳


「春の観測旅行2」

6日間の慰安旅行?もあっという間に過ぎ去り、11月27日にドーム基地に帰還した。旅行中は毎日ぽかぽかと気持ちよく、「こんな旅なら2年くらいやってもいいなあ」と思っていたが、基地に戻るとなると話は又別で、長い航海を終えて帰路につく気分になっている自分に気がついた。最終日ともなると雪上車のスピードも無意識に上がり、20kmオーバーになることもしばしば・・・。この速度は車に比べるとかたつむりの歩みのように思えるが、キャタピラーをつけた10トン車が同じくらいの荷物を引っ張って突き進むことを考えると、これはもう凄まじいオーバースピードである。推奨速力は5〜10kmなので、設計者が聞くと立ちくらみを起こすほどの速度違反で基地を目指した。

やがて地平線の向こうになつかしい我が家「大雪原の小さな家」が見えてきた。近距離用のVHF無線機にも明瞭に基地の声が伝わってきた。なにやらあわてている御様子。後で聞いたところでは、夕方の到着を見越していたので、帰着祝いのパーテイー料理の段取りが全然出来ていなかったとか・・・・・・・・。「ちょっとお待ちください・・。」で15分以上の沈黙があったのはみんなで本日のメイン料理「餃子」を、泣きながら包んでいたからと後でわかった。留守番部隊5名のお迎えを受けて16:00時無事基地到着・・・。

さっそく一風呂浴びて旅の疲れを落とした。 久しぶりに浴びる温かいお湯よりもその後にみんながあせって包んだ餃子の方が、温かく胃袋はもちろん心にも染み込んできて、あやうく涙がこぼれそうになった。この日留守部隊が作ってくれたおいしい夕食のMENUは

・餃子(200個以上)
・肉まん、あんまん、桃まん
・ちんげんさいと帆立貝のあんかけ
・絹さやとベーコンの炒め物
・海老すり身の中華スープ

真心のこもった素晴らしい夕食でした。

ごちそうさま!!!!!!


あせって餃子包み


中華パーテイー


注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。



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