2000.10.24号 07:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊
「食と生活の記録」より/by 西村淳


「寿司割烹喜多田開店」

3日目も朝から盛りだくさんの肉体労働が続いた。昼食は福田ドクター特製のカレーライス。スパイスをたくさん使った香り高いカレーは大好評を持って迎えられたが、本日のメインは「昭和基地 寿司割烹喜多田ドーム支店 開業」である。本来は昭和基地調理担当「北田隊員」が日本に居るときの専門を生かして、不定期に昭和のBARで開店し、大好評を博していた「御寿司屋さん」だったが、それを本日ドーム基地で臨時営業してくれる事になった。

食堂を店舗に仕立てて、お品書きもずらりと並び、カウンターをしつらえるとどうしてどうして、立派な寿司屋さんが出現した。今日はドーム越冬隊員全員お客様で招待を受ける。BARでアペリチフを飲みながらひたすら席の空くのを待ち続けた。やっと順番が来て、一歩足を踏み入れると懐かしい御寿司屋さん特有の酢飯と海苔の香りがぷーんと漂っていた。福田ドクター曰く「ナース達とサー寿司屋に行くとあーやっぱり今日は俺が払わなければならないなぁ・・なんて思いながら食ってるんだけど、今日みたいに全部只だとわかってたらなんとなくスリルがないというかあまり食べられないと言うか・・・」と言いながら空席待ちの林隊員から「もういい加減に食べるのやめたら」とチェックが入るほど食いまくっていた。ただ又々余談ではあるが、帰国直後、成田空港近くの「東急ホテル」で軽く寿司をつまみに行って¥34,000の請求書を出され、後で密かに怒り狂っていたのを私は知っている。輸送コストだけ見ても、おそらく世界一高い寿司をたらふく食べる思いがけない贅沢を味わい、ドーム越冬隊一同満足満足大満足の一夜だった。


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