2000.9.10号 06:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊
「食と生活の記録」より/by 西村淳


「昭和基地味醂が切れた2」

「納豆陰謀大作戦」はともかく日本食の板前である「北田隊員」にとって味醂なしは相当深刻そうで、和食の魂「命のだし」がまったく取れない状態だとか・・・。ドームは幸い24本のペットボトルが手つかずで残っている。私も真面目にドームではだしを引くつもりだったので調達したが、現地ではごみをなるべく出さないと言う不文律があったので、だし引き作業で出てくる、昆布や鰹の事を考えると、とても使えず・・・・・と言うのは大嘘で、めんどくさいからだしは引いていなかった。現代化学の勝利と言うか、めんつゆの割加減をうまく変えると、ばれない程度にはごまかせる事がわかったのでうまくごまかしていた次第・・・。

Eメールには「ドームもぎりぎりの状態ですが、そこは同じ越冬隊。 こちらの分を調整したら2ダース程はお分けできるのでそれでいかがですか?」と表面上は友情たっぷり、実際は北海道弁で「態度とってる」文章を送ったら、北田隊員から「友情に感謝します。 久しぶりに胸の熱くなる思いでした。」との返事が返ってきた。

結構あせった。
でも結果良ければすべてよしにしておこう。協議の結果昭和基地からこっちにくる食糧は・白滝の缶詰、焼き豆腐の缶詰、牛乳、余っている缶詰となったが、一番うれしかったのは、飲みまくってそろそろ心細くなりかけていた、蒸留酒ウイスキーった。これも大量に持ち込んでいるのがばれているので「アル中野郎どもめ!!」と思われてもいやなので「ここに貯蔵しておく非常用のウイスキーを分けて下さい。」と送ったがその量が非常用の常識を遙かに越え、3ダース〜4ダースと大量だったので多分ばれて、あきれられていたのに違いない。
「あー恥ずかしい!!!!!!!!」


ハロゲンヒーター組み込みのカウンター製作風景

注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。



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