2000.5.17号 08:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊

「食と生活の記録」より/by 西村淳



「5月誕生会1」

呼び出しの嵐に見回れた経緯を説明する前に今回私は南極で迎える2回目の誕生日となった。

前回は昭和基地で迎え、豪華料理とたくさんの隊員諸氏に祝ってもらい、2歳になったばかりの娘から、衛星電話で「ハッピーバースデー」のプレゼントに、はらはらと落涙したものだが、天使か聖母マリア様のようだった娘も、小学校の高学年となり、「歌のプレゼントしてー」などとほざこうものなら、「はあー???」と白い目を向けられること必至である。おまけに今回はどんな食材があるのかすべて私が注文して、運んできたのでお見通しである。

「ご馳走が食べられるー」と楽しみにしているとき、どんな物が出てくるのかわかっているシチェーションははなはだつまらない。又「誕生会の主賓」は会場の設営から何からなにまで、ノータッチと決まっているので、「焼き肉でも他の人達作るのだべか」等と思っているとき、「5月誕生会のシェフ」、ドクターと川村の兄ちゃんからとてつもない提案が出された。

「今回のメニューはドックがブイヤベース、兄ちゃんがローストビーフにトライと決定。平沢氏が飲んべえの貴方のためにフレッシュピーチパイを製作。つきましては規約上技術面のヘルプは駄目なので、口答のみでのアドバイスをお願いしたい。ただし3名とも喰ったことはあっても製作の経験およびレシピはまったくパッパラパーなので適切な指示をよろしく!!」焼き肉位で逃げるのではと思っていた私の誕生会がこれで一気にスリルとサスペンス性を持ってきた。


「料理構想中?の福田先生」

注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。



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