2001.3.8号 07:00配信


南極のドーム基地住人だった西村淳の
アドベンチャークッキング2
【気ままに語る食と人の話】

春の風が吹いてきた9


早速次の日に電話をかけた。
「斉藤でーーーーーーす」となつかしい独特の口調で久方ぶりのご挨拶。事情を説明すると、「まずは原稿を見て・・・・」とのご返事。即行で送った。しばらくして御返事が来た。「とっても楽しい本なので、知り合いの横浜の出版社に相談して見ましょう」と、とってもとってもとっても嬉しいコメント。憑き物が落ちるというか、ここまで来てしまうと山場を越えた感じがして、気分的にはかなり落ち着いてしまった。

ある日電話が鳴った。
「春風社の山岸と申します。この度斉藤先生のご紹介で・・・・・・・・・・」運命の出会いと断言するには少々大げさだが、この上品な女性の声を聞いていると、その「春の風」と銘打たれた会社名と重なって、心の中に温かい春の風がフワフワと入ってくるのが感じられた。打ち合わせ・相談・条件提示その他もろもろの諸事項を言い交わす前に、「この会社に御願いしよう」と決めていた。

12月のある日、条件その他を相談するため上京した。国立極地研究所の隊員室で観測隊の忘年会を行う際「春風社」御一行様も招待したが、現れたメンバーはまさにイメージ通り。
気の合うメンバーと酒を酌み交わせば、その後に待っているのは当然どんちゃん騒ぎとなるところだが、最初から「酔っぱらいオヤジ」がばれてはちょっとやばいかなと思い、いつもの5.8%程自重した。

次の日は横浜まで出向き、打ち合わせは「お任せしマース」の連呼で切り抜け、早々に中華街へ。おごられっぱなしでは供応になるので、2次会はジントニックがおいしいので有名な、「ホテルニューグランド」のMAIN BARへご招待。吟味されたジンとトニックウォーターのカクテルも酎ハイのごとくいやしく飲みまくり、アルコールでピンぼけした頭で外に出ると、氷川丸のクリスマス・イルミネーションが目に飛び込んできた。

記念写真としゃれこんだが、やはりピンぼけになっていた。帰りの電車の中で、前に座っていた若い女性が私をじっとみつめているのに気がついた。視線をそらさずしっかり見ていた。チャックが開いて、いなり寿司でも露出してるかとそれとなく確かめたが、しっかりしまっていた。もしかして(逆ナンパ)??・・・・まさか・・・でも・・・やがて立ち上がって近づいてきた。・・・・来た!!

そして一言「あのー吐きそうなんですけど、ビニールの袋もっていません??」スーパーの袋は常時持ち歩いてはいるが、なんでわかったのだろう??やはり都会はおそろしい!!!!!!!!!!!!!!!!!


春風社の看板


ピンぼけの氷川丸



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