2000.1.20号 07:30配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊

「食と生活の記録」より/by 西村淳



「みずほ基地でお正月」

S16から240km程内陸に入った所に「みずほ基地」がある。現在は無人で基地自体は雪の下に埋もれ常駐する観測隊員はいない。内陸に向かう中継拠点になっている。1997年1月1日はここから始まった。

実は「みずほ基地」に到着したときにちょっとしたハプニングがあった。「ブチル特急便」と名付けられた37次隊がドームふじから降りてきたのである。ドーム基地では36・37次隊で深層掘削と言う一言で言うと「氷掘りサンプル採集作業」が行われていて、現在は2500m位まで掘り進んだとか・・・。その肝心のドリルがスタックしてしまってどうにもこうにもならなくなり、2500mも掘った穴を維持しておくための液体「酢酸ブチル」が、足りなくなって38次隊の輸送している物を緊急に取りに来た。メンバーは「藤井 理行37次越冬隊長」他「米山ドクター&谷口機械隊員」の3名。いずれも超極寒地ドームで越冬した自信に満ち溢れた強者たちであった。特に現在は「札幌市立病院」で外科医長として活躍しておられる米山ドクターははっきりいってあぶないヒトの匂いをプンプンさせたオッサンであった。

髪は腰までたらしインディアンのように二箇所で止めて耳にはピアス、それも2つ・・・目つきは一人で海外旅行をすると必ず税関でチェックが入りそうな形状で、医者だと教えられても「ホントー??? ウソー!!」と声に出したくなるようなとにかくそんなヒトであった。藤井隊長も一昔前のフォークソングを唄っていた売れない歌手のなれのはてのようだし、「一番星」とあだながついていた谷口隊員はモヒカン刈りで・・・・・・夕食に用意した「野菜たっぷり冷凍ラーメン」と「きゃべつの千切り」をばくばくと食べたかと思うと、雪上車の点検をあっと言う間に終えおみやげがわりにさしだした「しらせ」よりの生野菜を積み込むと、橇と38次の隊員2名SM104号車をひきつれてとんぼ帰りで引き上げて行った。往復1400kmあまりを1週間で走破するというスーパーハードスケジュールで谷口隊員は基地帰投後しばらく血尿が止まらず寝込んだとか・・・・。


「ドームへ」 提供:山梨大学 竹内 智
注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。



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