2002.3.3号 07:00配信


さくらうめこの梅小路

3月2日(土)小林さんの話

(サロマ町:うめこ)



今日、初めて小林さんの話をうかがう機会があった。一番に思ったのは経験した人の言葉は重みがあるなあということだ。小林さんのわたし達にはない経験というのは中途失明という重い経験だった。

昭和36年2月8日と、入院中であったその日付けをはっきりと言ったことにも、忘れられない衝撃的なその日であったことがうかがえる。その日、突然周囲にカーテンを張り巡らせたように真っ暗で何も見えなくなったのだそうだ。おそらく言葉には表せないほどのショックであったことと思う。

それからは看護婦さんに手をひかれて移動していたのだが、これではいけないと思って看護婦を待たずに一人で行こうとした時、「小林さん、待って!」と呼び止められたその一言が、「あなたはひとりでは何も出来ないダメ人間なのに。」と聞こえたという。人の心のデリケートな部分を思った。やっと自で何かをし始めようと思ったところに奈落の底に引きずり込む言葉に聞こえたという。本当はそうではなかったにしろ、心に傷を受けている時は、そういうこともあり得るものだと思う。

そこからは小林さんの持ち前の忍耐で、色々なことに挑戦する日々が始まったのだが、自宅では「出来ない。」というのは禁句なのだそうだ。まずやってみて、そして出来ないことは人に頼めばいい、取りあえずはやってみないことには何ごとも始まらないのだそうだ。本当にごもっともと拍手を送りたい気持ちであった。

まだまだ印象深かった話は多いが、たくさんの苦労の上に築かれた数々の信条は聞く者の胸にどれもストンと響き、感心しつつ素直に従える名言集であった。これからも健康に留意され、増々のご活躍を期待したい。





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