2000.12.12号 07:00配信





温泉に関しての4回目

 温泉はなぜ身体に良いのでしょうか、どんな人は入ってはいけないのでしょうか。ご説明いたします。(基本は湯治治療です)

・ 温泉の効能

★温泉の効果・温泉の作用機転(浴に関して)
1温熱作用(温度の作用)
2水圧・浮力作用(機械的作用)
3含有成分作用(化学的作用)
4非特異的変調作用(人の機能のリズムを変える作用)
※湯あたりの作用

★基本的にこの4つの組合せで温泉は効くのです。

★その他に温泉地への転地による自然環境の変化(気分転換・気候変化:温泉地の空気には通常含有成分が溶け込んでいるので吸入効果も含まれる・その土地の食物による身体への好影響)も加わる。
<これは都会の中の温泉や家庭での人工温泉と大いに違うところである。>

★温泉の治療面への応用
1病気の予防・健康増進への応用
2病気治療への応用
3リハビリティーションおよび病後回復・保養への応用
※基本的にこの3つを軸に治療を行います。

・ 適応症と禁忌

★では温泉はどのような病気にいいのでしょうか。但しこれはあくまでも湯治を中心とする、わが国の温泉治療の適応であって、1〜2泊での適応症ではなく、温泉の成分に違いがあるので(後で少し述べる予定です)、一般論です。

 1 運動器疾患(含む:リウマチおよびリウマチ類似疾患)
 2 呼吸器疾患
 3 泌尿器疾患
 4 神経疾患
 5 皮膚科疾患
 6 婦人科疾患
 7 循環器疾患・血管(動脈・静脈)疾患
 8 消化器(消化管・肝胆膵)疾患
 9 代謝疾患
10 小児疾患

★主な禁忌疾患:こういう人は残念ですか温泉はガマンしましょう
{1〜16温泉全般、17〜20泉質での禁忌}

 1 発熱時(急性発熱性感染症)
 2 悪性腫瘍
 3 滲出性結核
 4 悪性高血圧
 5 腎不全
 6 心不全
 7  出血性疾患
 8 再生不良性貧血
 9 悪性貧血
10 白血病
11 肝硬変(復水または黄疸を伴うもの)
12 心筋梗塞(発作後3ヶ月以内:3ヶ月経過し良好なら緩和な
   療養から可)
13 脳梗塞(新鮮例:室内歩行を開始し、淡水浴可能になった後に
   緩和から可)
14 妊娠初期
15 飛沫または入浴にて感染性のある疾患(急・慢性を問わず)
16 化膿性疾患
17 ※硫化水素泉:下痢・光線過敏・皮膚過敏
18 ※炭酸泉の飲用:下痢または下痢しやすい人
19 ※Na含有泉の飲用(食塩泉・重曹泉など):高血圧または
    浮腫の有る場合 
20 ※鉄泉の飲用:お茶の同時飲用

次回からは各論として泉質ごとの特徴とその適応症、疾患別の温泉治療について書いていきます。
皆様の、ご意見をお待ちしています。
sirokuma@webnews.gr.jp


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