2001.3.22号 07:00配信


村へ…。

(紋別市社会福祉協議会:篠原辰二)


1月3日、元日からの国民によるストライキが開けたこの日、それまで静けさの中にあった首都カトマンドゥにはいつもの騒々しさが戻っていた。2日間の眠りから覚めたローカルバスやタクシーもこの日は朝からクラクションの音を高らかに、カトマンドゥ盆地をスモッグで包み込んでいた。午前7時、僕等はそんな騒々しさの戻ったカトマンドゥの騒音で目を覚ました。手早く身支度を整える。2人合わせて70kg強のザックを背負い、チャーターしたタクシーへと積み込む。当初の計画では支援先のベトラワティ村まではローカルバスを使う予定だった。しかし、警察とマオイストと呼ばれる毛沢東主義を標榜する反政府組織)の衝突が激しくなってきている近頃、僕等がローカルバスで村を目指すのは余りにも危険なことだった。ローカルバスなら片道65ルピー。タクシーのチャーター料金は片道2000ルピー以上。けた外れの痛い出費ではあったが、身の安全には変えることができない。

25年前のトヨタコロナに乗り込み、僕等は一路ベトラワティ村を目指す。およそ80Hの道のりだ。タクシーの運転手は2年前に村を訪れたときと同じ運転手。懐かしさを共に表し、握手を交わす。カトマンドゥの標高は約1400m。そこから一旦2200mまで標高を上げる。カカニの丘と呼ばれているところだ。ここのカカニでは日本のジャイチ(財団法人日本農業研修場協力団)が住民と共に農業開発を行っている。カカニで作られた野菜や果物は近隣の街や村々で買うことができる。精算から流通までの支援が行われている。途中僕等はジュレテムという村に立ち寄り休憩をとる。カカニで作られたイチゴが路上の店で売られている。200gで40ルピー。農業支援でがんばっている日本人とそこで農業を学んでいるネパール人との合作に舌鼓を打つ。とても甘く、日本のイチゴも顔負けだ。軽食とお茶を飲み、また車を走らせる。僕がネパールに最初に来た4年前、それも数十年前のトヨタラウンドクルーザーでさえ6時間はかかった。ローカルバスなら8時間はかかった。近年、道路の舗装整備が進み、ベトラワティ村の手前8Hにあるトリスリまでは完全な舗装道路になっている。道の悪さで車の天井に頭を何度もぶつけていたそのころが懐かしく感じる。村までの距離を示す標石が2Hを示す。村の人々、ランタンファンデーションのメンバー、そしてマーブーガルの子ども達、変わることのない笑顔を頭の中で思いだし、胸が高鳴る。いつ来ても同じ風景がそこに存在しているのだろう。ここは○○さんの家、ここの家のロキシー(ヒエ焼酎)はおいしい。そんなことが頭を駆けめぐる。あともう少し、あと数分でまたみんなに会える。あのカーブを曲がると…。僕の感情は最高潮に達していた。



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