2000.2.7号 08:30配信


Home

このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
pine




NO.14 大鋸屑


 大鋸屑(おがくずと読む)、今や死語に近い。大鋸(おが)は読んで字のごとく大きなノコギリのこと。その昔、山で原木を切り倒し、材木を作るのに使ったノコギリで、大鋸屑は、そのときに出る木の切り屑のこと。昭和29年の洞爺丸台風による風倒木処理でチェンソーが導入され、その後大鋸は、急速に伐木現場から消えていった。大鋸屑はノコ屑とも呼ばれ、暖房用の燃料に利用されていた。今ではほとんど見かけないが、「おがストーブ」といって薪ストーブに巨大な煙突を乗せたようなもので、そのタンクに1日何度かノコ屑を詰めて焚いていた。木工場の周りの家では、みんな「おがストーブ」を使っていて、この臭いが当時の暮らしの臭いだった。丸太は製材のノコ刃を通す分だけノコ屑になる。ノコの刃の厚みは2〜3mmだから、薄い板や細い角材をつくる時ほど製材の歩留まりが悪くなる。ノコ屑は今では牛舎の敷物にはなくてはならないもので、ノコ屑専用の機械も使われている。



目次前に次へ



Home
(C) 1999 Webnews
ご意見・ご感想・お問い合わせはwebmaster@webnews.gr.jpまで