2000.1.25号 09:00配信


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このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
pine




NO.13 凍裂


 日本一寒いところが北見管内の隣り、陸別町小利別。ここの森林では、厳寒の日に立木が凍り幹が裂ける凍裂という現象がおきる。おもにエゾマツやトドマツなど針葉樹が被害にあう。樹木は、冬期間その成長を抑制あるいは休止するため、木材中の水分は少ないものだが、それでもなお凍結して幹が膨張するということはよほどの寒さ。エゾマツやトドマツは、凍結を防止するため水を極力排除し、不凍液タイプにおき替えることが行われている、葉の形だって寒冷地仕様になっており、本来凍結することはあり得ない。
冬山造材といって冬に原木を伐り出すのも、水分の少ない木を得ることが目的の一つ。原木に水分が少なければ、それだけ次の製材で乾燥ロスが少なくなるというもの。
凍裂の際には大きな音がすると言われている。幹に残る長い一筋の傷跡は凍裂の被害の痕、そして厳寒の冬を生き延びた確かな証。



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