2000.10.27号 07:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊
「食と生活の記録」より/by 西村淳


「しらせ出港」

1997年11月14日。
「第39次南極地域観測隊」を乗せた「しらせ」が晴海埠頭を出港した。いよいよ日本が近づいてくる。家族からの手紙や写真、新しいビデオや本。ドームには関係ないが生鮮野菜、そして大量の人類を乗せて、「しらせ」が出港した。 と言ってもドームの生活は変わらず、淡々と観測作業そして生きるための作業が続いていた。

「39次隊に女の子がいるんだってさー」
「へえー 越冬して大丈夫なんかい?」
「それなりの顔と性格してるの連れてくるんじゃないの」
と日本で言えば明らかにセクハラ発言が取り交わされていたが、「ここは地の果てドーム基地」今となってはもう時効。正直この日は新しい隊を想って密かにエールを送る・・・どころではなかった。

当直者が造水槽循環ポンプのスイッチを入れ忘れてしまい、循環水が凍結してしまった。当然温度はぐんぐん下がりそのままだったら戒名が全員についてしまう所だったが、命が危ないと必死になるのは人間の常で、みんないろいろのアイデアを出しなんとか夕刻には解凍作業に成功した。

この日の夕食は一年前の出港日、「しらせ」で出される第1食。赤飯弁当を思い出して、再現した。隊員諸氏、出港のFAXよりこちらの方がうれしそうであった。尚ポンプ凍結の罪滅ぼしというか、当事者の通信担当隊員(一人しかいない)からインマル電話の裏技のご教授があった。インマル電話をかけて相手が留守番電話だったら、メッセージを入れずに無言で切ると料金はかからないとオペレーターのお姉さまが教えてくれたとか・・・・・・・今となってはどうでもいいが・・・。

チェーンソーで解凍作業


再現 赤飯弁当


注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。



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