2000.10.22号 06:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊
「食と生活の記録」より/by 西村淳


「補給隊到着」

1997年10月28日、待ちに待った「昭和補給隊」がドーム基地に到着した。

まだ春浅い南極大雪原を1000kmも走破して、天国に一番近い基地と呼ばれる南極の奥地「ドームふじ観測拠点」に遂に到着した。山内越冬隊長他7名、総勢8名のパーテイーである。前日はドーム基地から約20km離れた、MD710と呼ばれる地点でキャンプを張り、満を持しての到着となった。

昼頃から地平線になびく雪上車の排気煙が視認され、やがて地響きの様にキャタピラーの振動音が伝わってきた。13:30分小さかった点が段々形をなしてきて、それが雪上車コンボイと分かる形になってきたのが14:00ちょうどであった。久しぶりに見るなつかしい顔・顔・顔の嵐。抱擁・挨拶・笑いの後、まずはコーヒーブレイクのため手持ちの荷物だけ持って、基地に入ってもらうことにした。

ふっと気づくと「昭和部隊」が遅れていることに気がついた。普通に歩いているはずなのに、みんなが遅れてしまう。 おまけにみんなの息づかいがハーハーゼーゼー・・・・。ここは標高3800mで酸素の量も平地より20%少ない事を思い出した。ここに着いたばかりの時、我々ドームの住人も似たような状態だったことを思えば、ずいぶん人間と言う物は環境に順応できる生物だと思った。

喘息患者をいたわるごとく、歩調をあわせ基地内へ・・・・。一休み後数グループに分かれて基地ツアーへとご案内したが、「昭和基地」と比べて大自然のまっただ中と言うか原始的というか、ともかくあまりの環境の凄まじさに一同度肝を抜かれた御様子。一風呂浴びてもらった後、さっそく大歓迎会が盛大に挙行された。なにしろ久しぶりの大人数総勢17名。料理人も勘が狂ってきたせいか食べきれない程の量を皿に盛り上げてしまった。

そしてMENUだが、

・コールドビーフ3色のソース
・小エビのムース入りパイ
・スモークサーモンとキャビアの寿司ケーキ
・ドーム産フレッシュレタスとフォワグラ
 サラダ・鯛の身薩摩揚げ
・帆立のテリーヌアスピック添え  
・いかのネギ和え
・殻付き帆立貝の清蒸
・はも・帆立・いかの梅ソース
・シーフードグリルサフランライス添え
・舌平目のムニエル クリームソース
・ドームにかかるオーロラ、雪マリモ付き
 トッピングフラッペ店長出来ないべSP

と量だけは日本一?の宴会となった。
37次隊がドームを引き上げて以来の大人数の宴会は大いに盛り上がり、夜遅くいや朝早くまで続いた。

再会


久方ぶりの大人数


注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。



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