2000.6.26号 06:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊
「食と生活の記録」より/by 西村淳


「後半戦が始まった」

カレンダーは7月になった。日本では暑い夏が始まった頃である。ドームはと言うと、寒い寒いどころか超瞬間冷凍状態の気温が続く冬のど真ん中が続いている。7月1日と言えば、「極地研」では恒例の隊員室開きが行われている。南極への希望を胸に秘めたフレッシュな観測隊が日本中から集まり、まだ見ぬ遠い地の果て「南極大陸」に思いをはせ、大バーベキューパーテイが開催されていることだろう。

この時期はまだまだ隊員個人が自己主張する事などはさらさらなく、どの顔を見ても「全日本南極観測隊鋳型モデル」の様に、「自分の事は地の果てに押しやって、南極観測のためにそして全員のために命をはる」と感嘆符をつけたくなるようないい顔をしている。団体チームワークコンテストをやれば銅メダルくらいは取れるかもしれない。それが日本を出発し、「しらせ」の船旅を経て南極に到着し、長い越冬生活も後半になるころには、良きにつけ、悪しきにつけみんなの性格が裏の裏まで見えてきていい方向に向かえば、「一生付き合っていく無二の親友」が誕生し、こじれると「3代までたたってやる!!」位の怨敵誕生となる。組織としては熟成されるというのだろうか?。

越冬終盤には「仲良しいつでもみんな一緒だよーグループ」が一騎当千の一匹狼集団に変わって、新しい観測隊とのご対面となるのだから、昭和基地でお目にかかる先輩の隊が凄まじい迫力で目に飛び込んでくるのは仕方ない事だろう。無理だろうけどあまり気負わないで、「南極を楽しもう」位の気楽なスタンスでこっちに来てほしいが、無理だろーな。

今回ドーム越冬隊は、一応基地休止となっているので引き継ぎの隊は現れないが、昭和基地の「鈴木隊員」の元には調達参考意見で山ほどのFAXでの質問状が届き、それに対して彼ならば「足りない物もありますが、てきとーにやっています」なんて答えるのだろーななんて思ってちょっと笑ってしまった。ともかく今夜は新米観測隊に敬意を表しドーム産レタス包みの焼き肉でいつものように盛り上がった。

「レタス焼き肉を食うぞ」

注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。



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