2001.5.8号 07:00配信


めっちゃ田舎のお菓子屋さんの独り言


by 高砂屋菓子舗の渡邊

◆食品開発
「ひさびさの・・・」ほんと、ひさびさの更新です

まずは、ただいま♪ちょっと長い道草してました・・・すみません。

えーっと、前回の更新から数年経っての更新です・・・
楽しみにしてた方には、大変申し訳ありませんでした。

過去のコラムを読み返しているとかなり熱かった自分を思い出しましたヾ(;´▽`A`
また、熱くならなきゃなぁ・・・と、奮起して自分を奮い立たせてます。

さて、何から描いていいものか・・・
この3年間?4年間?色々ありました。
札幌の百貨店で、イベント販売したり・・・北見のスーパーにテナントで出店したり・・・
自分の家庭的な部分でも、劇的な変化もありましたし。
食材開発もしました。(まだ、試作段階で販売はしてませんが・・・)
1年間は、食品開発に没頭しました。
「じゃがいも」を使ってのお菓子なんですが・・・
出来上がったものを道の主催するモニタリングとカウンセリングに出したのですがかなり良い評価をもらいました。
また、興部のちょっと変わったチーズを使ってシュークリームを作ったり。
まあ、このシュークリームのおかげで札幌にイベント販売をするようになったり北見に出店することにもなったのですが。

んー、そうですね・・・
まず、じゃがいもの話からしましょう。

「じゃがいも」

北海道では、メジャーな作物ですね。でも、ものすごく種類があるのをご存知ですか?知ってる方は、ご存知でしょうが・・・それはそれは、とても種類が多いのです。それも、半端な種類じゃない。調べて驚きました。その頃の自分は、「農林1号」しか知りませんでしたから(^^;

で・・・これに携わるきっかけになったのが自分の所属している「NP産業クラスター研究会西オホーツク」の食材開発プロジェクトだったのです。「ノーステック財団」(北海道の産業活性を支援する財団)から、支援を受けてその研究会の食品部会のメンバーとプロジェクトを始めました。ノーステックから、派遣されたフードコーディネーターの高井先生と始めたわけですが・・・
この先生との出会いが、また自分の脳内革命を起こさせられました。それは、それはとても厳しい先生で・・・BBSにも書きましたが「あなたは、人も殺せるのですよ?」とがつん!といわれたのが今でも、印象に残っています。プロジェクトでは、まず何作るのか?というところから出発しました。プロジェクトの最終的な目的は・・・・「食品素材を開発し、市場に商品として販売するものを開発する」

プロジェクトのメンバーは、自分を含め3名いたのですが何も出てこない・・・というのは、付け焼刃的なことを言っても通用しないからです。必ず、理由があるということ・・・。食品を開発するに当って、なぜ、それを作るのか?素材も、なぜ、それを使うのか?という理由があるのです。最初、悩みました。「何を作ったらいいんだ?」「何を使えばいいんだ?」しばらく、3人して考えましたがどれも思いつきや行き当たりばったりで・・・先生を納得させるだけの答えが見つかりません。

ある程度時間が、経過して咳を切ったように先生が口を開きました。
「貴方達は、なにをしたいの?」
実は、自分達3人は何も知らずプロジェクトに参加していたのです。いきなり、フードコーディネーターが来て、わさわさと物事を進めて・・・まったく、気後れしてました・・・3人とも。
高井先生、すごく怖い人なんです。でもその分優しい先生でもあります。自分らが、詰まったとき・・・そっと、手を差し伸べてくれるとても優しい人でありました。まあ、それが判ったのはかなり後の事なのですが・・・。
そして、始まりましたねぇ・・・食材開発プロジェクト。月に1度、その先生が来て実験データの提出と実際に試作をするのですが・・・宿題形式なんですね・・・先生がいない間に試作のデータを取る。でも、先生が来ても、そのデータを見ようとはしません。要するに、自分のためなんですね。先生のためじゃありません。
ずーっと、やってて判ったのですが、データなんて見なくても先生には、見透かされてました。
確かに、すごくプレッシャーでした。他のメンバーの2人も一緒です。直前まで、試作をしないというか・・・できないのです。自分の仕事をしながら、その他にその試作をするのですから。
高井先生が、言いました。「本当にやる人は、寝ないでもやる」 これは、事実ですね・・・実際、「今日は、疲れたから明日にしよう」 これが、続いてやがて先生の訪問日の前日なんていうのも、しばしば・・・。毎日の積み重ねが大事なんですよね、データというのは。んで・・・「試作データは、成功の為にあるのではなく、失敗した時の為にある」ということです。つまり、失敗したときのために、より多くのデータがあることによってその失敗を最低限にできるということです。

そのプロジェクト、1年が期限でした。でも、実際にやってみるとかなり駆け足で物事を進めていたのですね。商品開発をするためには、大手メーカーのように研究室でもあれば別かもしれませんが、実際に現場で製造をしている人間にとってはかなり馬力が必要で・・・ 自分が、思うにその開発を手がけて3年後に始めてその基礎となるものができあがるということです。これは、自分の尺度ですから、他に当てはまるか判りません。しかし、やぶさかにできるものではないということですねぇ・・・。
実際、そのプロジェクトで開発したものは商品にはまだ、なっていません。プロジェクトのメンバーであったほかの人も思ってると思うのですが、その時に出来たものは、まだまだ未完成だということを自分が一番知っているからです。
プロジェクトが終わってからは、その商品には手をつけてませんが商品化しなければと思います。でなければ、そのプロジェクトに加わった意味がなくなると思うからです。

さて、頑張ろう!まだまだ、ひよっこの自分!

次の更新は・・・・?
ネタが溜まりすぎて、引出しの整理がついてません・・・ヾ(;´▽`A`
ゆっくり整頓しながら、小出しにしていきます。
思いつきで、話があっちいったりこっちにもどったり・・・
お菓子の話から、はなれることもあるでしょう・・・
どうか、暖かい目で見守ってください・・・m(_ _)m」


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