2001.8.12号 07:00配信


熱中症対策 その3(夏季スポーツその2)




2 水分をとることの必要性
  
最近はいないと思いますが、昔の古い指導者のなかには「試合や練習中に水分をとるな、根性をだして我慢しろ。水をとるとすぐバテる」という誤った認識をもっている方がおられたり、私の子供時代のスポーツドラマやマンガで大量の汗をかき、喉の渇きを我慢していた選手達の姿をよく描かれていましたが、最近のスポーツ中継を見ていて昔と違う風景を見かけたことはありませんか。

特にサッカーやラグビーの試合中にサイドライン脇にプラスチック製の水筒が、置いてあって、反則やけがの一時中断しているとき(アウトオブプレイ)に選手がライン際にやってきて水分補給をしていたり、野球でベンチ内で水分補給をしている姿を見かけることが増えていませんか。

確かにサッカーの昔のルールでは許されていませんでしたが現在は「選手はタッチラインあるいはゴールライン上で、ピッチから1m以上離れ、プレイに邪魔にならないように準備した柔らかい容器などから自由に飲水(飲み物のなかの化学物質が施設を痛めないよう<水>と規定されています)できる。」と80年代にかわってます。

さらに、練習中や試合中に適量の水分を摂取することは、選手個々の能力向上(疲労の軽減のため)に役立ちます。逆に試合や練習中の体重の1.4%弱の脱水(発汗量に対して水分補給が不足した場合)で運動能力は3〜20%(個人差があるため)低下し、脱水による5%の体重減少は作業能力の30%の低下を認めます。

また脱水は発汗量を減少させ体温を高めます(熱中症を起こしやすくなる)。このことにより様々なゲーム局面においての認識能力・判断能力を低下させます。では暑い環境下ではどれくらいの量の発汗があるかと言うと、サッカーを例にとりますと日本サッカー協会の調査では1試合で2〜2.55Lで体重の2.8〜3.14%と報告されており、日本代表チームの試合形式の3時間の練習で2.8Lと体重の3.76%の発汗量があります。

しかし1995年全国中学大会にて平均1試合2.44Lと体重の4.28%の発汗量があり、その環境の苛酷さが浮き彫りになりました。またサッカーに限らず夏の大会の問題点として、試合もそうですが、開会式の時間の長さも問題になります。過緊張な心理と、早めの待機と、待機場所の狭さ、式の最中整列場所の過密さで選手間の通気が悪く特に選手・役員と観衆のわりに狭い冷房能力がないかあっても弱い屋内で顕著となり、さらに屋外では炎天下に選手の多くは無帽か脱帽しており体温が上昇しやすくなります。

特に開会式直後の試合のチームは既に練習しており脱水・熱中症には特に注意が必要である。チーム指導者だけでなく主催者側の配慮も怠ってはいけません。       
白熊でした。
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