2000.6.5号 10:00配信


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このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
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NO18 鉋(カンナ)

 今のような台鉋が出現する前、板や柱の表面を平らに削る刃物は、笹の葉のような形の刃先に両手で握る長い柄のついたは刃物だった。姿が槍に似ているところからヤリガンナと呼ばれた。ヤリガンナは台鉋の使用とともに大工道具から消えてしまったが、小さな形で彫刻刀に残っている。台鉋も初めは一枚刃で、後に逆目を止める刃のついた二枚刃の鉋が主流になり今日まで続いている。ちなみに一枚刃と二枚刃では同じ長さの柱を削っても鉋屑の長さが異なる、逆目を折り曲げる仕組みの二枚刃の方が短くなる。鉋がけは実に奥が深い、名人の域に達すると傾けた柱の上に鉋を置いただけで鉋がけができると言う。鉋屑も100分の1mmを引き分け、削り面同士が吸いつくほどの鉋がけの妙技は到底機械ではできない。鉋は日本では手前に引いて鉋がけを行うが、西洋では逆に押して使う。まったく反対の使い方どうしてだろう。


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