1999.10.7号 08:00配信


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このコーナーでは、木工芸に携わったことで気づいた、木のこと、木にかかわることを中心にお話します。
pine




NO2 木のアテ


 急斜面や強風のあたる場所などに生えている木は、その影響により根元が曲がっている。木はどんな場所でも太陽を求めて上に伸びようとする。根本の曲がりは幹の傾きを上向きに修正したところだ。そこには倒れないようにと丈夫な細胞組織が集まっていて、同じ1本の木なのにそこだけ特別に硬い材質になっている。

「アテ」と呼ばれるこの材質は針葉樹と広葉樹ではできる場所が異なる。針葉樹は曲がりの外側にでき傾きを押して支え、広葉樹は曲がりの内側にでき傾きを引っ張って支える、全く反対の方法で行っているから不思議。この「アテ」のある木は曲がっているため、そして部分的に細胞組織が異なり、ねじれや割れの原因となるため製材には不向きとされている。どんなに太くてもほとんどがパルプの原料のチップにされる。せっかく真っ直ぐになろうとがんばったのに。でも、鮮やかな木目と硬い材質は工芸品には最適。置戸町のオケクラフトの材料にはエゾマツ、トドマツのアテが使われている。


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