2004.4.11号 13:00配信




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音楽屋♪(コラム)

2004/4/10(土)―― こま ――


2004/4/6(火)Rikuo Live 2004
〜常呂町中央公民館・大講堂 start 18:30〜

この日の前日、スタッフ&オープニングのちーまこ&リクオさんの親睦のための前夜祭があった。その前夜祭にお誘いを受けた私は、断る理由もなく、是非にとお邪魔しました。和やかな雰囲気の中で、親睦を持つ事は、遠くから一人でやってくるミュージシャンにとっては知っている人々と久々のコミュニケーションが取れて、リラックスした気持でライブに臨める。美味しい料理と旨い酒と、色んな話題で驚いたり笑ったり考えたり…。これもまた、旅の思い出となる。んじゃないかな?って思ったりして。



ライブ当日。
会場は、去年の2月に「ライブペインティング」で沢田さんが絵を書きヤマサキさんと演奏した場所。ちょっと高めのステージに、グランドピアノが堂々と置かれている。やっぱし、リクオさんのライブはグランドピアノだよな。会場は少し明るめ。ステージからお客さんの顔が良く見えるんじゃないかな?ってくらい、明るい。こういう場所でのライブでは、リクオさんは大人チックなワイルド系にならない。どちらかと言うと、しなやかで明るい感じになる。ちょっと面白味にかけるかもしれないけど、こんなライブは他では体験できないだろう。田舎町のライブは、老若男女が集うので、それなりに分かりやすいライブ。参加しやすいライブになる。会場の雰囲気をしっかり掴んで、楽しめるライブにしてしまうところがリクオさんの才能のひとつ。

オープニングが終わり、軽い音楽が流れ始めているんだけどなかなか現れないリクオさん。

スタッフの一人が「リクオさん行方不明」とあせってる。「うそっ!トイレじゃないの?」なんて、私もあせる。と、あせりながら待っていると軽い足取りで飛ぶように駆けるリクオさん登場!

そんなリクオさんの今回のスタイルは黒の皮ブレザーに柄物プリントシャツとタイトな茶系パンツ。

待ってました!リクオさん!半年振りですね〜♪楽しみにしてました。軽快なリズムでリクオさんらしい前向きな歌で始まったライブ。

新曲ですね。なんて題名だろう。

「夢のような日々よ これからもまたよろしくやろうぜ 明日の風向きも すべて オレ次第」

一曲目が終わり、ご挨拶。
「ライブを見にきたと言うより、ライブに参加して下さい。そして皆でいい夜を作って行きたいなと、そこんとこ、よろしく〜」
会場も「イエ〜イ」とノリノリ。最初からエエ雰囲気やね。

『マウンテンバイク』

お客さんは、お馴染みになっているので手拍子も軽く「笑わせよ!」の後の「フ〜」もバッチシ! リクオさんの体制は、ピアノに向かっての演奏ではなく身体だけ会場に向かって、半腰体制でノっている。

『ブギウギタイム』

ドクター・ジョンを思わせるような?なにか懐かしいカンジの曲を踊るような指先で、楽しく演奏している。見ていると、ただ鍵盤を叩いているようにしか見えないのにとても賑やかで、リズミカル。

お客さんのリズム感も、一致してきたところで

『ピアノライダー』

この曲を聴くと、どうしても体が動いてしまう。今回は座らずに、立っていたのでリズムにあわせて両手で両足叩きながらクネクネ。自然に体が動くって楽しいね!

「カモン オレ!」と言いながら、ピアノを走らせる。グランドピアノの鍵盤足りないくらいに端から端まで弾きまくる。

フッフ〜♪フッフ〜♪イエ〜イ!
と、調子に乗って「回転指パッチン」が飛び出した!
出た〜!指パッチン。

皆さんも手が痛いんじゃないですか?と「グレイハウンドバス」の前奏。

「これくらいのスケールでお届けします。」
会場大受け。

『グレイハウンドバス』

飛ばしてます。どこまで行こうとしているんでしょう? 足やマイク、ピアノの弦、ペットボトル等を使い様々な音で旅の途中を演出しているようだ。なんとなく、あっさりと終ってしまった旅だったように思う。

MC

泊まってる宿の近くの海まで、南極探検隊になった気分で歩いてった話し。そこで、流木がたくさんあったのに驚いた話。散歩途中で寄った喫茶店で、海の幸カレーを食べ、ママさんと軽いおしゃべり。その時、流木を見た話しをしたら、その喫茶店の柱は「流木」で作られたと言う話。常呂町という町を、肌で体験し、地元の人とコミュニケーション取ることでリクオさんもリラックスできた様子。

また一つ思い出が出来たと、日記に書いておこうと思う今日この頃…だそうです。

「さっきはグレイハウンドバスで行って、その前にはマウンテンバイクでGO!次は何でいきましょうかね。船?飛行機?歩き?意表をついて、穴を掘っていきましょうかね。」

なんて、リズムを取りながら、問い掛け

『穴を掘る』

「ある意味、スケール大きいね。」

唄いながら、手で穴を掘るゼスチャー付き。お客さん笑顔で見守る。

「え〜曲はもうエンディングに近づいております。「掘る」と言うところだけ合わせて欲しいです」

明日から、穴を♪

掘る♪

すばらしいね!みんな!

穴を♪

掘る♪

穴を♪

掘る!!

リクオさんとお客さんの掛け合いで、掘った穴。
落ちないようにねぇ〜

MC

こうして旅をしながらライブをしていると、旅の歌が増えてくるんですが…と、色んな場所に行く事も、旅だけど、柔軟な発想で色んな面白い価値観に出会う事も旅の一つやなと。。それが旅の本質ではないか?と…。そんな「オレが作った旅の曲」

『ヘブンズブルース』

「On Piano Rikuo」そう言いながら、ちょっと得意げにピアノを弾きながら指パッチンでご参加ください。ならない人は、チーチクチーチクでご参加ください。ってまたまた参加型。

沈む夕陽は どっかの朝日さ ここは天国ぅ〜♪

去年の阪神タイガース効果で、コンピレーションアルバム2枚にこの曲が取り上げられたと言う

『雨上がり』

なんか、ちょっと物足りなかった。もう少し切なさを感じたかった。

『風の声』

MC

結婚式に呼ばれたときの話し。何か歌って欲しいといわれるが、結婚式に唄えるようなハッピーエンドな曲がないので困ってしまう。良くスピーチで「ハッピーエンド」と言われるけど、本当にハッピーエンドか?と思うらしい。「エンド」は終わりなんだから「スタート」にしたほうが良いのでは?みたいな話をして行くうちに「なんでオレはこんな話をしているんだ?」とふと我にかえり「ライブは旬のものです。何が起こるか分からない。始まってしまったものは仕方がない」と笑いを取りながらも、話をまとめていくリクオさん。

『せつない幸せ』

「寺尾聰を意識して作ってみました。」と新曲を披露。

『なみだ』

またまたリクオさんの代表作になりそうな切なくて、悲しげで、やり場がなくなるようなブルースですがでも、どこかに希望が見える歌です。

♪歌が生まれるその時には きっと涙は乾くだろう
♪歌が生まれるその時には きっと涙を思い出すさ

ピアノも感情が乗移ったように叫んでいる。
会場も息を呑み、聞き入っていた。

小学校の時に、マンダムのCMが流行っていてマネをしていた話をしながら、その時代に聞いていた流行曲を思い出し、その中で大人の雰囲気が漂っていた歌で角川映画の主題歌にもなった曲ですが、イントロで分かった方は「ヒュ〜」と声を掛けて下さい。と言いながらイントロ。


ウォンチュ〜♪

…「ヒュ〜〜〜」

「遅いん、ちゃうか? タイミングが もう一回いっとくか?」と
もう一度…。

ウォンチュ〜♪

「ヒュ〜〜〜〜〜ッ」

うまくいった!ピアノもイイ感じでリズムとってる。身体がまたまた動き出す。ワイルドなカンジがニューオーリンズをプンプン漂わせている。
チョーカッコイイ!!

リクオさんも気持ちよさげで、アォッ! ヒュ〜 よっ!って掛け声。「よっ!」ってなんだ?やっぱ日本人だねぇ〜よっ!

乗ってきたところでコールアンドレスポンスターイム!

「オレがヘヘイヘイといえば、みなさんもヘヘイヘイです。」

『ランブリンマン』

すっかり遊んでいる様子のリクオさん、会場に向かってまたまた「なんみょうほうれん」と唸ってる。「ア・ビバビバ」「ウィーッス」「サンキューいかりや長介!」会場も盛り上がって手拍子もレスポンスもイイ感じ。

『ミラクルマン』

手拍子は止まらない、フゥ〜〜と掛け声もかかるリクオさんの足は、前に出て勝手に踊ってる。
「ウッ!アッ!ウッ!アッ!」
会場も唄ってる。
「ウッ!アッ!ウッ!アッ!」
調子に乗って
「それ行くぞ!」とピアノ独奏。

ピアノとお客さんの掛け合いで、会場は「フ〜ッ フ〜ッ」の連続。
熱が篭ってきてる。

「シャララ〜♪」と唄い出すリクオさん。


では、最後の歌です。
この曲もシャララがコーラスになってるけど、ほんとにリクオさんは「シャララ」が好き。

『愛の歌』

声も伸びやかに、ピアノ弾くカンジも熱くなってる。

シャ〜ララララ ラララ〜
シャ〜ララララ ララララ〜

会場もみんなで唄ってる。そのコーラスでリクオさんが気持ちよさそうに歌ってる。ステージにいて、コンサート会場風なセッティングだけどコンサートってカンジじゃない。ライブだ。みんなと仲良く楽しく、同じ時間を共有している空間だ。

そんな最後に出来ないような雰囲気の中「もう一曲やりたくなった。」と肌に染み付いているイントロが高らかに切なく響いた。

「あ…」

会場はシーンと静まり、私は両手を目に当てた。その手は、離す事が出来なかった。すでに両目から大量の水分が噴出していた。

『ケサラ』

ラストに持ってくるとは!やってくれるね。リクオさん!いつになく、熱いピアノに感じたのは私だけじゃないだろう。この歌を待っていた人たちは、目頭を熱くしながら聞き入っていた。


一部、お終い。


アンコール。


「早く出たかった…」と、ピアノの前に座るリクオさんはすかさず「クレイジーフィンガーズ」の宣伝。手違いで、クレイジーフィンガーズのCDが届かず、この会場では購入する事が出来なかったけどお買い求めの方には、一週間以内に送りますとお約束。もちろん、特典あり!サインと、ステッカーを2枚つけます!って。お得だね〜♪楽しみに待ってますよぉ〜


「皆と一緒にこの空間を作れた事嬉しいです。今日のライブが決まってから、スタッフの皆さんが仕込みをしてその思いなどがココで一つに集結したことでオレもその思いで歌を唄う事が出来る。今後もこうやって続ける事が出来る。」

と、リクオさんは「ライブと言うもの」について熱く語ってくれた。作り上げる人、それを楽しみに来る人、そしてそれに答えるミュージシャン。一つになって「空間」を作る。素晴らしい時間。

私は思う。
知らないと分からない。だから、知らない人に教えよう。知れば楽しい事が増えるってことを。隣の人に教えてあげよう。楽しい事を。

隣の人は楽しいと感じ、その隣の人を誘うだろう。その隣の人は、また隣の人を誘うだろう。こうして「知らないでいた楽しい事」が、ドンドン広まればもっと楽しいイベントを作る事が出来る。

いつか、その広がりでクレイジーフィンガーズのライブをオホーツクの海に響かす事が出来るはず。

と…。


「やる曲を決めてませんでした…」と楽譜をペラペラ…。
そこで唄ってくれたのは

『美しい暮らし』

自分たちの暮らしを美しくしていく事で、戦争は起こらなくなる。幸せに生活しているところに、争いは無い。幸せに生活していれば、争う事は無い。そんな思いが込められた歌。


『モンクスドリーム』

すべては今夜のために!
そう、この夜のために!
そして、いつかの夜のために!
また会いましょう。
リクオさん。

そして、いっぱいいっぱい楽しみましょう!


今夜もありがとう♪
常呂町のみなさん、ありがとう。
スタッフのみなさん、ありがとう。


−親愛なる、浦西さんへ






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