2004.4.10号 11:00配信




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音楽屋♪(コラム)

2004/4/9(金)―― こま ――

ロックンロールジプシーツアー2004
〜GO,North! GO,East!〜 IN サロマ スナック チャイム

薄暗いスナックチャイム。長方形の箱は、なんちゃってライブハウスになった。
箱の中には、高校生からご年配までイッパイのお客さんで混みあった。飲むのも自由、トイレに行くのも自由。スタイルも自由。座る人もいれば、立つ人もいる。カウンターにはスタッフとPanasheのメンバーで15〜6人近く立っていた。人口密度高!手拍子したら、隣の人の頭に肘鉄くらわせてしまいそうなくらいくっついてた。

前座は♪Panashe。昨年は4人編成だったけど今年は5人編成。5人になって始めてのステージ。緊張してはいるけど、なかなかのハーモニー。ベースとパーカッションは、まるで楽器のように聞こえるのがスゴイ。そんな楽しくて素敵な歌声と、リーダーマスミちゃんの語りかけで会場は和やかムード。

前座が終わり軽い音楽が流れ、会場はちょっと一息。気軽におしゃべりしながら、ステージ準備を見守る。いつ始まるんだろう?みたいな緊張感が無い。自然に流れる時間が心地よい。BGMが変った途端に箱は一段と薄暗くなる。さ〜ライブの始まりだよ!心して体感しておくれ!

三宅さんが、にっこりしながら会場に入ってくる。ギターを持ち、椅子に腰掛け、おなじみの一言。
「やるよぉ〜」演奏が始まる。

「佐呂間!ひさしぶり佐呂間!」
早いリズムでギターを掻き鳴らす。フリータイムだ!とっぱじめからフリータイムとは…ファンキーだ!お客さんは驚きと開放感で、出始めから最高のノリ。
※「タイムリミットまでの 佐呂間で フリータイム!」

「佐呂間久しぶり!約一年ぶり!三宅伸治です。よろしく〜。行くよ!」
イエーイ!
「行くよ!」
イエーイ!
掛け声もバッチシ。すごいぜ佐呂間!
「It's All right♪」

「さ〜唄いましょ。佐呂間の皆さん。スナックチャイムの皆さん。」
外まで聞こえるくらいに。アトリエに聴こえるくらいに。表通りのパチンコ屋まで聞こえるくらいに。サロマ湖まで聞こえるくらいに。ロシアまで聞こえるくらいに。後ろの方もどうぞよろしくね。カウンターの人も唄ってね。スゴイ混んでるねカウンターの中。こんなお店は珍しいね。
「いつだって大丈夫、スナックチャイム、いつも All right」

熱気ムンムンになって、三宅さん、立ち上がってブイサイン。
「立ち上がってVサインをあげるヤツ 三宅伸治です、よろしくー」

ここで、MC。
Panasheの紹介をしたいんだけど「パナシェ」と言う名前が出てこないみたいで、あんちょこをチラッとみて「パナシェー!」とテンポ遅れて紹介。お客さんはそこを見逃さない!笑い声が広がる。

今年1年の活動を紹介しながら、ビックバンドとMOSAWのライブ版の紹介。こまさん、すかさずCDを持ち上げ紹介。スポットライト浴びる。イエーイ
そしてお月様の話。
「今夜は見てないけど、お月様が出ていたら芦別で見たのと同じ綺麗な三日月なんだろうと思います。」

ビックバンドから「しょぼくれ三日月」
口笛が響く。自分で「うまい!」と言いながら、また口笛。うまいよーっ。

それから「ロックンロールジプシーをずっとやってるんだけど…」と、去年のサロマ湖の思い出を話す。「サロマ湖の温泉で露天風呂入ったら、氷があって…」その氷は流氷だと思ってて「佐呂間はすごいよ」って帰ってさんざん言いふりまわったんだけど実はただの氷だった事。「サロマ湖には流氷は無いんだってね」って笑い話にしてた。ごめんね。こまがウソついた。って言うか、こまも「流氷」だと思ってた。それを三宅さんは信じてたんだよね。ごめんなさーい。

それから、TVのスマップスマップに出演した話。札幌にWANTEDで来たとき、クラプトンライブと同じ日だったこと。など等、笑いを交えてのMC。いつになくおしゃべりな三宅さんだった。

KINGから「奇妙な世界」
チョット真剣な感じ。神戸のWANTEDを思い出した。

MOJO CLUBの再活動の話で、メンバーとの再会の思い出を語る。そしてリクエストの「君が降りてきた夏」

あわいお日さま揺れてる…と唄い始めると拍手がじわじわと鳴り出して「イイ感じの拍手のタイミングでしたね。もう一回いいかい?」と、また最初からやりだす。だけど、三宅さん噴出して「もう一回ね」と歌いだす。でも、構えるとうまくタイミングが取れない。フライングがあったので「もう一回ね」と3回目の正直で「最高のタイミングの拍手」この曲で、こんなに嬉しそうに楽しそうに歌う三宅さんを見た事無い。歌も伸びやかで、聞いてて気持ち良い。女性の顔からうっとりとした笑顔がこぼれる。ハープとギターの演奏が、かなり切なく響く。

会場からの掛け声で、リズムのある曲へ。
「カレンダー」
一緒に歌って欲しい!と、お客さんに歌詞をを教える。
「メロディは適当でいいです」って、お客さんも笑いながら聞いてる。
「やりたいこと〜やるだけ〜」「やるだけやるだけやるだけ〜」
恥かしがり屋さんも、周りの歌声に引き込まれてくちづさんでいる。
「やりたいこと〜やるだけ〜」「やるだけやるだけやるだけ〜」

「すごい!佐呂間!天才!」三宅さんも楽しそう。

手拍子と歌声が一つになって、大合唱。面白いよ〜楽しいよ〜。誰か三宅さんと歌ってて「誰か歌ってる…」って笑いながら唄ってる。

演奏無しで会場大合唱。

「サンキュー!オーイェイ!」

「サンキューサロマ!サンキューチャイム!」

私もついつい「スゲースゲー」

「サロマ期待できるね〜全部唄ってもらおう。戦争を知らない子供たち…」
ちらほらと笑い声。
「この冗談が分かる人は、年齢が分かりますねぇ」って。

次の演奏に入る前に、目の前のお客さんが話し掛ける。
「普通に話してるよ…」って、三宅さん照れてる。

「じゃ、サロマ。ノリがいいんで。ブルースを。」
「イエーイ」
「いろんなブルースがあるけど、俺がやりたいブルースはね。前向きなブルース。何をやっても大丈夫って言う前向きなブルース!だから、大丈夫って言い合おう。それをね英語で言おうと思ってるんだ。Allright!Allright!その調子で!It's All right!」

「It's All right」私の好きな曲。

僕らは年をとり 夢は枯れ野を駆け巡る

掛け声もスゴイ「おーらーい!おーらーい!」
ギターのスライドもイイ感じ。立ち出して、客席の空いてる場所に座っちゃう。スライドがギュンギュン叫んでる。近くにいるお客さん、ちょっと驚き。恥かしそう。でも、楽しそう。三宅さんとお客さんのやりとりが面白くって、会場笑い声。マイク無い客席で唄い出す三宅さん。親近感がぐぐぐっ!と沸く。

月のロックンロールで、またまた会場内大合唱。
「お客さんはサビ、三宅さんはチャチャを入れる!」
「月がかっこいい」

掛け声と合唱と奇声。
アルコールもいい具合に身体を駆け巡り、熱も上がってきた。
「ドリンクの注文いまのうちね…」と三宅さんが言うと
「ドリンク〜」と注文され、三宅さん「はい、ドリンク―。○○〜」と
私達のお仕事を手伝ってくれた。

ちょっと一息で、三宅さんもMC。
北海道にはソロで来るけど、今回は時間がなかったので3ヶ所。いつもは一人かスタッフと二人なんだけど今回は娘を連れてきた事を告白!
「佐呂間の流氷を見せたくてね〜」会場 大笑い

次の歌はモジョ時代、娘さんが生まれた頃に作った歌。目を閉じて、その頃を思い出しながら話してくれた。

「ララバイ」

はじめて きみにうたおう
きみとの 出会いをうたおう
目の前で 歌えないから
今夜 ここで うたおう

退院のその日、そばに居られないから
今夜、ここで、きみとの出会いを喜ぼう。

そんなふうに感じた歌。優しくて愛しさが溢れる曲の次は、これもモジョの時代の歌で「びんぼうワルツ」。
一人のおじさんが言ってた。「三宅のこの歌はいい!」って。きっと、おじさんも若かりし頃は苦労して貧乏だったけど暖かい場所を持っていたんだろうな。目を瞑りながら唄ってる三宅さん。思い出してる?素敵だ。

シーンと静まり返った会場で、三宅さんの歌声だけが響く。

「オッケー そろそろぶっ飛ばしていこうかなと思います!」
「イエーイ!」


「オーライ。それじゃ、ロックンロールやるぜ!」
「イエーイ!」

ロックンロールが始まる。ミラーボールも回りだす。クラプトンの「シーズオーライシーズオーライ・オッケー♪」って聞こえる。ストーンズのサティスファクション、RCの「雨上がりの夜空に」これはみんなも知ってる歌なので、掛け声と歌声は最高!

「どうしたんだい ヘヘイ ベイベー!」

引き続き「ロックンローフプラネット」
スピーカーから出る音よりでっかい手拍子と掛け声にまけじと唄う三宅さん。音密度が高い!休む間もなく、ファンキータイム。
パワー!パワー!パワー!
「I'm Power」

ギターも聞かせてくれる。これがまたたまらない。
クラップハンド!
自信をつけろ!弱気になるな!
パワー!パワー!パワー!
しつこいパワー。イエーイ!
パパパパ スパン パン!!

アクセル全開になる!
「ベートーベンをぶっとばせ!」

ぶっとぱせベートーベン 俺のチャックベリー!
ぶっとばせベートーベン 俺のビルヘイリー!
ぶっとばせベートーベン 俺の忌野清志郎!
そして…驚いた
ぶっとばせベートーベン 俺のリクオー!
ぶっとばせベートーベン 俺の砂川正和!
まさかの名前に…驚き…

ギターを掻き鳴らしながら、ギターを頭の後ろにもっていって後ろ弾き?技を見せるなぁ〜。いつのまにか「学園天国」になって、会場「ヘーイヘイヘーイヘイ!」「へーい!へい!へい!へーい!へい!」
ステージから離れて、何気なく客席へ…。そしてそのままギターを弾きながら、お客さんを誘い出すように入り口玄関へ。

今夜も佐呂間の夜空に吠えてくれた!
けど寒くてね、お客さん全部外に出る前にもどって来ちゃいました。めちゃくちゃ寒かったもんね〜。三宅さん一言「寒い!」佐呂間のお客さんは、お行儀が良いせいかスグに座っちゃった。

「おどろうぜ!おどろうぜ!」三宅さんもヒートアップ? けど、恥かしがりやなお客さん、なかなか立ち上がらない。そんなお客さんに「エブリバディースタンドアップ!」の一声で総立ちに!

引き続き「たたえる歌」
もうお客さんは立ちっぱなしで、頭上の拍手を送ってた。
「あ〜ちっぽけな 君をたたえて あ〜ちっぽけな 僕をたたえる
あ〜ちっぽけな 僕らをたたえよう!」

ヘイッヘイッヘイッヘイ!の会場の掛け声に、三宅さんの熱唱が混じる。
最高のクライマックス!
会場内が熱く、強く、激しく、一つになった。

「サンキュー佐呂間!」

こうして第1部が終る。スグにアンコールの「はやく!はやく!」と言っているような手拍子。それに答えるように着替えをしてきた三宅さん登場。

「サンキューありがとう、やるよーっ!」
第2部が始まる。

会場「熱い」
三宅「熱いね。外でやろうか?」
会場「大爆笑」
三宅「急に寒くなるぞ」
と、すっかり仲良しムード。
アンコールやるよ〜
スナックチャイム。いいお店。こんど俺こっそり一人でのみに来る。
こっそりなんて…おつきあいさせてくださいよ。(笑)
CDとTシャツとDVDの紹介。

アンコール最初の曲は、パナシェとの共演。
「FAFAFAFAFA」
マイクを遠慮してるパナシェに「マイク持たなきゃダメ。PAさんよろしくね」って仕切る仕切る。さすがバンマス。唄いながらアカペラのマネをしてベースやパーカッションをちらっとやったり。歌の終わりには、パナシェを称えたり。ちょっとしたショータイム。

もう少し唄わせてくれ!
「ディキシーフライヤー」

メンバー紹介、パナシェ。天井くるくる回ってる照明(ミラーボール)
あとは…と見渡すけど、いないじゃん!
難しい手拍子だけど、会場は一つになって素晴らしいリズム。

「くさっちまうぜ」

うわ〜これをやるんだぁ〜佐呂間でここまでやるとは!
三宅さん、ノリに乗ってます!
すっかり三宅さんのギターは止まることを忘れたように鳴り響く。三宅さんも止まらない。ギターマンの顔してる。ぶっ飛ばしてる〜。 けど、お客さんも負けてない。スゴイパワーだわ。もう両手が痛いだろうに、緩まないリズムの手拍子。

いちど引き上げ、アンコールの呼びかけで第3部の始まり。

「やる!やる!」そう言いながら三宅さん登場。
そこへ、あまのっち、花束贈呈。
あまりの嬉しさに(?)三宅さん、あまのっちにハグ! そしてお客さんからのビールの差し入れ。嬉しそうに花束とビールを掲げ

「ありがとう。また来ます。あのね、さろま。すごい、楽しい。多分、一人でいろんなとこ回ってるけど、佐呂間にこれなかったと思う。それは、佐呂間を知らなかったから。佐呂間を紹介してくれたこまさんに、そうとう感謝です。ありがとう。そういうわけで、これからもしょっちゅう来ると思いますが… あれれ?拍手がパラパラ…ちょとかんがえる。 おっけー。絶対来るぜ!」

「イエ〜イ!」

「チャイムも、アトリエもそうだけど
毎日こうやって営業してる。すごいと思う。」
そう話しながら
「営業中」

「三宅伸治 今夜も 開店営業中 ウォー イエ〜イ!」

そして、ずっと唄ってる歌を唄います。と「何もなかった日」

それまでうるさいくらいに盛り上がっていた空間が
しーんと静まり返った。
三宅さんの優しい声が響いてる。
ゆっくり目を閉じて、気持をいっぱい込めて
「いいことが あるといいね」

「君の願いを いつでも 聞いていられるように」

「いつでもーっ!」」のシャウトがなかった。
じっくりとじっくりと噛み締めるように唄う。
「いいことがあるといいね」
自然とお客さんが歌いだす。にっこり微笑みながら三宅さんも歌う。
「いいことが あるといいね いいことが あるといいね
いいことが あるといいね 君にも僕にも」

すべての演奏を終え、三宅さんは深いお辞儀をする。全身で感謝の気持を、お辞儀で表現する。そんな三宅さんの姿をみて、一人のお客さんが立ち上がって手を差し伸べようとする。でも、それでもお辞儀をしてる三宅さんを見て立ちすくむ。お客さんは拍手をしてじっと見守る。

そんな光景を目にして、じーんと感動してしまった。

楽しい時間は、あっという間に過ぎる。
ほんと、あっという間だった。

来年もまたやろうね!3回、4回と、ずっとずっとずっと。
唄いつづけるまで、私は三宅さんの望みを叶えてあげる。
それは、自分の望みでもあるから…。


親愛なる さなさんへ…







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