2000.5.14号 08:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊

「食と生活の記録」より/by 西村淳



「サードシェフドック2!!」

カレーの成功に気をよくしたのか4月も終盤のある日、福田ドクターまたしてもふってきた。「水曜日にそろそろカレー以外の物も出してみたいと思っているんだけど、お魚を使った料理何か教えてもらえないカシラ?」

重ねて説明するが、福田ドクター決しておかまではない。語尾にカシラがつくのは、上品さと静かさを好むドックの(自分だけで思いこんでる)口癖である。「だけどこんな口癖の人ってやっぱそっちの傾向あるんじゃないのー」とお考えの方はじっくりと写真をみていただきたい。「これで男でなかったら誰が男なんだと」見栄を切りたくような、ごっつくでかい顔が目に飛び込んでくるでしょう。よく言えば俳優の牧 冬吉、普通に言えば「知性を必要としない職業」に多い顔立ちである。医者として「麻酔科」を選択したのは、賢明というか、己を知っていると言うか、もし「小児科」だったら大変な事になっていたのではないかと・・・・・。私はもし子供が一目見たら引きつけを起こしそうなその顔立ちにちなんで「顔面人殺し」と密かに陰で呼んでいた。

話を戻して、「おさかな料理・・カシラ」で始まった件だが、フランスの鍋料理「ブイヤベース」を進めた。最初はいい加減に「ブイヤベースはフランスの鍋料理なんだから、適当な魚を煮込んでサフラン叩き込めばパッパっとできちゃうよー」と適当でいい加減なアドバイスでごまかそうとしたが、そこは人の命を預かる医者である。探求心と分析心と猜疑心は人一倍でどこからか料理本を引っぱり出してきて「最初はタマネギとあらとニンニクをオリーブオイルで炒めなければならないでしょ!!きちんと教えてくださいな」と反撃を受け、「正当派ブイヤベース、アイオリソース、ガーリックトースト付き」を半日かけてレクチャーする羽目になった。

出来映えはこれまたすばらしく(鯛・ロブスター・貝類等を親の敵の様に入れているので当たり前だが)、これに味を占めたの福田ドクター、またまた無理難題を押しつけてきた。今度は「パエリャ」を作りたいんだと・・。


「福田ドクター」


「手術ではありません」

注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
個人で楽しむ以外(メディア等への掲載)は禁止します。



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