2000.4.7号 06:00配信


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第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊

「食と生活の記録」より/by 西村淳



「観測と設営の話1」

ためしにあなたが「ドーム基地では何やってるんですかぁー?」と電話なり、メールなりで質問するとして、多分こんな答えが返ってくる。「世界で最も厳しい気象条件のドーム基地では雪氷・大気・気象・エアロ等々実に多種多様の観測が行われています。ETC」と実に懇切丁寧に説明してくれると思う。ただこれはあくまで観測部門の話で、それらの観測活動をサポートする設営部隊の話は多分詳しくは教えてくれないだろう。まあしつこく聞いたとして帰ってくるのは「いろいろな省庁やメーカーからプロが参加していますので、あらゆる事態で柔軟に対処してくれていると思います。」煮え切らない国会答弁の様になってきたが、ぶっちゃけた話、「設営はそれぞれの組織の看板背負って来てるんだから、観測者が気持ちよく暮らせる環境を作ってやらなきゃだめヨ!!」と考えてもらうとかなり近くなって来る。

南極を研究テーマにしている科学者諸氏は、何度も観測隊に参加するチャンスがあるが、設営部門で参加する隊員の7〜8割は再び南極に戻ってくることはない。ドーム基地を見ても、燃料の計画的な消費・発電機やボイラーの保守点検・定期通信・医療業務、食事やパーテイーや事務の仕事等々一つの街の病院から、食堂・役所・NTTその他もろもろをすべて引き受けている。これが昭和基地となると、飛行機や夏季用のトラック等があるため航空会社とカーデイーラーも加わり、さらに多忙となってくる。

ギャラすなわち日本で振り込まれている筈の給料がドーンと上がるかと言えばそうでもなく、民間企業から参加している人の中にはマイナス分を補填して貰っている人もいた。働き盛りの技術者ばかりを連れてくるのだからもう少しギャラをくれてもなあーと思うのだけど、まだまだ、「南極に連れていってやるのだからネ!!」と言う姿勢が極地研に見え隠れしないでもない。ほとんどの隊員は、日本にいるときよりも数倍は確実に超過勤務手当も貰わず働いているのだから、2003年に科学技術庁に移転したらどーんとあげて欲しいなぁー・・と言うことで。


エンジン整備



注意:写真はすべて国立極地研究所に属します。
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