2002.9.30号 06:00配信
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だから大好きルパン三世
美幌在住のS 


エピローグのつもりが、「カリオストロの城」を書いていないことに気づき、あわてて書くことに。しかし「カリオストロの城」は長い。そこで、何週になるかわかりませんが、小分けにしてお送りいたします。最後までお付き合いくださいね。

番外編「カリオストロの城」その7

・不二子ちゃんとご対面。
 真夜中、鎧なんかがいっぱいある部屋。不二子ちゃんがなんかごそごそやってますよ。何をしているんでしょうか?引き出しを開け、胸のブローチの小型カメラでなにやら写しております。すると、鉄の手が伸びてきて、
「動くな!」(ここはきっとグスタフの声でしょうな)
一瞬固まる不二子ちゃん。
「今晩は、不二子ちゃん。」
「ルパン!」
「仕事に熱中しているご婦人は美しいねぇ。」
「もうこんなところまで来ちゃったの?」
不二子ちゃんの表情は驚くというかうんざりというか・・・。
「1年ぶりにあったのにつれないんだなぁ・・・。随分探したんだから・・・。」
と、鉄の腕で表情を作ったりして、ちょっとごまかす。
しかし不二子ちゃんにはちゃ〜んと判ってました。
「ルパン。探しているのは花嫁さんでしょ?」
「あ〜ら、知ってたのぉ?」
「教えてあげてもいいけど、私の仕事の邪魔しない?」
「しない、しない、したこともない。」
「どうだか・・・。北側の塔のてっぺんよ、最も、とてももぐりこめないでしょうけどね!」とチラッと流し目でルパンを見ると・・・。ルパンの姿は消えていました。
「ルパン・・・?」
不二子は探すけどね。
かなりクラリスのことが気になる、というか、不二子ちゃんを「ご婦人」という当たり眼中にないんだね。寂しいね不二子ちゃん。

・カリオストロジャンプ。
 北の塔が月の光に照らされている。屋根をよじ登りその塔を見るルパン。
「くそぉ。ひでぇところに閉じ込めやがって・・・。」
指をなめて風向きを調べるルパン。
急勾配の屋根をひたすら登るルパン。途中でへばって「はぁ。」とため息をつくと急に滑り落ちてしまう。(ここらへんが宮崎色なんでしょうなぁ)
ギリギリで止まり、また登っていくルパン。途中でなにやらポケットから取り出す。(これはきっとクラリスを冒頭の崖のシーンで助けたロープでしょう。)屋根のてっぺんに引っかかる。それを手繰っていき、屋根を登る。

一休みしたあと、てっぺんに座る。こしから小型のロケットを出す。糸を出して口にくわえ、狙いを北の塔に定める。(ここで何故か100円ライターを出すルパン。もっと良いのないのか?ジッポーとかさ、ダンヒルとかさ。なんかしみったれてるなぁ)
カチッ、カチッとつけようとするがつかない。ガス切れだ。他にないかとポケットをまさぐっていると、小型ロケットが落ちてしまう。
「わぁっ!」と糸を手繰り寄せたがかなり落ちてしまった。仕方がないので、そっと降りて取りに行く。手を伸ばした途端、ロケットがまた落ちていく!
「ワッ!ワッ!ワッ!」
といいながらルパンも加速がついて落ちていく。ますます加速がつくルパン!
もう誰も止められない。
やけくそ気味にジャン〜プ!しかも2回。
これが世にいう「カリオストロジャンプ」である。(このジャンプはあまりにも有名で、ファミコンカセットのルパン三世でもこのジャンプがあった、っていうか、このジャンプを巧みに使えないとクリアーできなかった。まぁ、私は裏技で最終面からやったけどさ、あのゲーム面白かったなぁ。ルパン、次元、五ェ門がつかえて、銭形につかまるとゲームオーバーなんだよね。誰か持ってない?)
北の塔に奇跡的につかまる。
そこで懸垂風によじ登り、また鉤付のロープを上に投げる。壁に引っかかり懸命に北の塔を登る。

・どろぼうさん?
 月の光を浴びて北の塔の部屋に真っ暗の中たたずむクラリス。
そのとき、カーテンがゆれ天井の窓が「キー」という音をたてて開いている。
「どなた?」
「泥棒です。」
「泥棒さん?」
暗闇で話していたルパンが近寄ってくる。
「こ〜んばんは。花嫁さん。」
「あなたは、あの時のかたですね。」
「忘れ物ですよ。」
クラリスの左手を取り、指輪をはめる。
「まぁ!このためにわざわざ・・・?伯爵に見つかったら殺されるというのに・・・。」
「なぁに、狙い狙われるのがドロボーの本性です。仕事が済めば帰ります。」
「お仕事・・・?私に何か差し上げられるものがあればよいのですが・・・。今は虜の身。・・・あっ、これを。」
と指輪を外そうとするが、その手を押さえるルパン。
「私の獲物は、悪い魔法使いが高い塔のてっぺんにしまいこんだ宝物。」
何のことだかわからないクラリス。そのクラリスの前で、
「どうか泥棒めに盗まれてやってください。」
「私を!?」
「金庫に閉じ込められた宝石たちを救い出し、無理やり花嫁にされようとしている女の子は緑の野に放してあげる、これみんな泥棒の仕事なんです。」
「私を自由にしてくださるの!?」
大きくうなずくルパン。
しかし、クラリスはイスに座り込んでしまう。
「ありがとう。とても嬉しいの。でもあなたはカリオストロ家の恐ろしさをご存じないのです。どうかこのまま帰って・・・。」
ため息をつきながら部屋中を歩き回るルパン。
「ああ、何ということだ。その女の子は悪い魔法使いの力を信じるのに泥棒の力を信じようとはしなかった。そのこが信じてくれたなら、泥棒は空を飛ぶことだって、湖の水を飲み干すことだってできるのに・・・。」
がくっと頭をたれる。(でさ、この「空を飛ぶこと」は不二子のグライダーに乗って実現するし、「湖の水を飲み干す」って言うのは、最後にローマ水道が出てくるところにダブってるよね。宮崎さんはそんなことを考えてこの台詞を書いたのかな?だとしたらすごいね。)

「ウ、ウウ、ウウウ」
突然右手を握り苦しみ(?)始める。
ルパンうなりながらクラリスに近づく。
こんしんの力をこめて右手を開くと、ぱっと一輪のバラが現れた。
「まぁ!」
「今はこれが精一杯。」
そして今度は小さな万国旗まで出してきた。
「ウフフフ・・・・」
クラリスもやっと微笑む。

しかし突然部屋に明かりがつき、轟音とともにシャッターが閉まる!一体何が始まるのか!!



つづく。




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