2001.8.21号 11:00配信


「沢則行ひとり人形劇」を訪ねて




沢さんのステージ

昨日、生田原町ちゃちゃワールドで開催された「沢則行 ひとり人形劇」を観劇しに行きました。

ちゃちゃワールドは生田原に突然そびえるお城。今日はこの中で人形劇の公演があります。“沢 則行”、彼は北海道生まれ。子どもの頃から人形劇に深く興味を抱き、21才でプロの人形劇団に入団。その後も、中学・高校教師のかたわら活動を続け、のちに文化庁の海外研修生としてチェコで人形劇を学ぶようになり現在にいたってます。

実は、わたしも大学時代、人形劇をやっていたひとりとして今回の公演にはとてもひかれるものがありました。チェコは人形劇の世界では有名です。そこで学び、創る作品というものを是非観たいと思いました。案内にある写真の一片からも魅力を感じます。「これはきっといいぞ」と思わせるものがありました。

人形劇といえば、子どもを対象にしたものを想像しがちですが実は、大人も子どもも、また、国を越え言葉を越えて、みんなで楽しめる芸術だと思っています。人間が演じるものとはひと味違う魅力もそれにはあります。わたしが一番人形劇を好きなところはそこです。

ただの物体である人形が、人の手によって動かされ、生きてくる。時には表情の変化まで見えたりすることもあります。演技も、直接的でないことろに不思議な魅力がかもし出されます。

大きな期待を抱いてちゃちゃワールドの席に座りました。普段は人形を展示しているスペースに椅子を並べ、簡易舞台がしつらえられています。世界の人形に取り囲まれて観劇するのもまた乙なものでした。良いものは人を捕らえるのか、大入り満員の盛況の中、『コウスキィー・小作品集』と題した人形劇は幕を上げました。

沢さんは語りも巧みに観客の心をつかみ、舞台にどんどんと引きずり込んでいきます。会場に来ている多くの方達はおそらく、このような人形劇を観るのは初めてではなかったでしょうか。音と物体の動きだけで、独特の摩訶不思議な世界へといざないます。

わたしが思う彼の一番の魅力は、ていねいな人形作りです。デザイン性にも優れ、巧妙で、それだけで飽きないものがあります。それが、『マクベス』の迫力ある人形から『3匹の小豚』のかわいらしさまで徹底された素晴らしさでした。また、途中で人形が変化していく様は彼の作品独特のものです。言葉だけでは伝えきれないものがあります。

最後に演じられた「赤ずきんちゃん」は新しい模索として、高く評価されると思います。影絵の手法を巧みに使い、また、見せる画面や構成の展開にも、彼のセンスの良さを感じさせられました。素晴らしい作品の数々を身近な場所で堪能できたことは、わたしの、この夏一番の収穫です。本当に楽しいひとときを過ごしました。感謝します。(うめこ)



鳥を表現した『空』


熱演中の沢則行さん


『星』の作品


『うさぎ』


『さかな』


三匹の子豚を扱った作品


シェークスピアの『マクベス』


プロジェクターを使った『赤ずきんちゃん』
赤いセロファンをハサミで切り抜き、
赤ずきんちゃんを作るところから始まる。



赤ずきんちゃん


プロジェクターを操る沢さん



満席の会場


チケット


取材に来ていた記者


この模様をインターネットで
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