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2004.6.12号 11:00配信


伊藤彰規 フランス滞在記

(佐呂間町:うめこ)




Paris Blue'03〜'04 伊藤彰規「フランス滞在記」原画展
日時:6月11日(金)〜13日(日)午前9時半〜午後4時半まで
会場:北網圏北見文化センター美術館 入場無料
問合:長南(090ー9524ー9351)

北網圏文化センターで開かれている「伊藤彰規 フランス滞在記」を見て来た。実は彼、伊藤彰規氏は高校時代の同級生であり、お手伝いもあって開催初日に駆けつけた。

高校時代の“あきのりくん”はあの時代らしくちょっと長髪で、なぜか白衣をいつもたなびかせてフワフワと校舎の廊下を歩いていた光景を思い出す。白衣は科学部だったのかと思いきや、やはり美術部で、そういえば裾についた絵の具の色もセピア色の思い出の中によみがえる。「ぼ〜っとした子」という印象があるが、当時は特に親しかった訳ではないので本当のところは分からない。その彼が昨年、文化庁の「新進芸術家海外留学生」というのに選ばれて、1年間フランスで絵を学ぶこととなり、急きょ故里の北見市で個展を開いたのである。その個展の開催にあたり、同級生達が動員され、わたしも同級生の端くれとしてお手伝いにあたった。

彼と親しかった友人の話しでは、小さな頃からいつもいつも絵を描いていたのだそうだ。それも馬の絵ばかり描いているので「ウマ」というあだ名まであったそうだ。彼自身も、とにかく描くのが楽しくて、紙を手にするとうれしかったというようなことも本人の口から聞いた気もする。絵が好きだということは素敵なことだと思うが、ずっと描き続け、大学も多摩美へ進み、卒業後も子ども達に絵を教える仕事のかたわら精力的に創作活動を続けたことは素晴らしいことだと思うし、それもふるさと北海道をテーマにした作品が多いというのは、とてもとてもうれしく思う。

昨年の春、たくさんの人の協力のもと北見市での渡仏記念「伊藤彰規展」が開催された。この個展では「Land」という一連の作品が展示された。そこには確かに白い北のイメージが並び、わたしは絵に関しては語ることができないが、ただ、こんな作品群を生む同級生を持ったことを誇りに思った。そして、彼はフランスへと旅立った。フランスからはまた「フランス滞在記と称する文章と作品とが送られ、道新に掲載されたので、楽しみにご覧になっていた方も多いのではないだろうか。

この度の「伊藤彰規展」は、そのフランス滞在記とともに掲載された絵の原画が展示されている。こじんまりとしたスペースに彼の感じたパリの雰囲気がただよう。今回の作品は“青”がテーマとなっている。彼の話しのあちこちに、パリと北見とには通じるものがあるという言葉が出るが、わたし自身、北見の出身者として、北見の青い空への思いは強く、そういう意味では共感するものが多くあった。受付には彼が日記のように撮り続けたパリの街角の写真があるので是非それも見ていただきたい。わたしは、むしろこの写真がおもしろく、彼の“目の付けどころ”というもの感動さえ覚えた。

今回の個展は、彼の来北に合わせて急きょ企画したため会場の都合もあり、3日間だけの開催となったが、是非とも多くの方に会場に足を運んでいただきたいと思う。そこには今もぼ〜っとした“あきのりくん”が、優しい風貌を漂わせて皆さまをお待ちしていることと思う。ゆっくりとパリの話や絵の話、そして北見への思いなどを語るのもいいのではないだろうか。

最後に、新聞掲載の「フランス滞在記」では、わたしは彼の文章に初めて出会い、毎回楽しみに読みながら、雑多な日々の暮らしにひとひらの涼風とも言うべく心地よさをいつも感じた。新聞では紙面の都合上、彼の原文のまま全部を掲載できないこともあったようであり、できれば絵とともに文字で現わされた彼のフランスにももう一度会いたいと、強いラブコールを送って今回の個展の紹介としたい。是非ぜひ、お越し下さい。






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