2002.2.4号 07:00配信
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『秒読みの殺人』(1978年製作)


前回、「後半作品の中では名作の部類に入る作品・・・」と、書いたけど、実際見たらそうでもなかった。確かに名作と呼ばれるだけのことはあるけど、いかんせん長すぎた。無駄なシーンが多すぎる。98分の作品の中でもいい作品はあるけど、だいたいはダメだね。やっぱ74分でなけりゃぁ。(こっちの身が持たんわサ。)

CNCテレビの支局長マークは、やり手のチーフアシスタント、ケイと出来てた。よくある話さ。会社の男女二人がね、くっつくことなんてよくドラマであるでしょう?周りが知らないってね。マークと一緒に同棲(なのかな?)してるのは(きっと)自分の出世のためなんだろうけど、マークはNYに栄転が決まった時点で、ケイとの関係を切りたくなった。そりゃそうさ、今は中堅都市のロスだけど、アメリカの中心NYに行けるんだよ。年増のやり手のお姉さんより、もっと素敵なかわいいお嬢さんがいっぱいいるでしょう?NYには。

そこで、マークは、ケイに自動車をプレゼントしてコレで手を切ってくれと、かなり身勝手なことを言う。まぁ、男からしたら、コレでも結構気を使ったんだぞってことでしょうなぁ。でもケイはそう思わない。っていうか、女性は(ほとんどの女性は)そうは簡単に思わんだろう。ケイはマークを殺そうとして実際にそうしたわけだけど、そうじゃなくても、無言電話かけたり、変な噂流したり、NYまで追っかけていって嫌がらせをしたり・・・ってことにも発展するでしょう?ふつうは。でも、そうなると、もうコロンボじゃなくなるからね。まぁ、殺人者が死体をどこに隠すって言うのが一番難しいといわれるけど、普通の人は愛人との関係を綺麗に切ることのほうが難しいかもね。それは年が重なるほど難しいねぇ。やり手の割り切りのいいケイさんでもやっぱり憎しみの方が愛情を上回ったってことでしょう。
ケイは、自分が担当したフィルムをえらいサンたちに見せている間の4分間に犯行を実行する。映写係のウォルターが下へフィルムを持ってくるように指図しその間にマークをピストルで殺害。4分ギリギリで映写室にとんぼ返り。ピストルはエレベーターの天井に隠した。かなり焦って帰ってきたのに、ウォルターは全く気がつかない。アリバイ成立。(ただし、手袋を捨てたのはまずかったなぁ。)コロンボ登場。(って言うか、じつはこの作品では1番最初にコロンボが出てるんだ。パトカーに追突されてね。ちょっとやり過ぎの感もあるな)マークはソファで撃たれていたが、眼鏡をかけてなかった、遠近両用の眼鏡を使用しているマークは、眼鏡をかけなければオフィスに入ってきたものが誰か分からないはず。しかし、かけてなかった。ではそういうことか。それはマークが知っている人間に撃たれたってことを意味する。マークと同棲していたのはケイだと突き止めると、お得意の罠を仕掛ける。

コロンボとケイは一緒のエレベーターに乗る。ふと上を見ると、天井にはピストルの影が!そこで、ケイはエレベーターを降りてから「電話をかける」と嘘を言ってエレベーターに舞い戻り、必死になってピストルをとり、車で帰る途中で排水溝に捨てる。証拠隠滅(かなり遅い)。コロンボは、前日他の刑事がエレベーターの中で見つけた銃とそっくり同じ銃をケイに見えるようにエレベーターの中に隠しておいた。ケイが降りたあと、調べてみると銃がない。がっかりケイ。上司のフラガナンに首を言い渡されるし、コロンボに犯行がばれるし・・・。散々でしたね。

しかしね。おかしいでしょう?映写室で見つけた手袋の硝煙反応を調べたら、犯人はケイかウォルターしかいないでしょう?しかも、きっとコロンボのことなら、化粧とか汗とか調べて、使ったのはケイだって分かるもんでしょう。自分でも言ってるでしょ「きっちり整理しているウォルターじゃない。」ってね。そこでおしまいでしょう。何も98分も見せなくたってさぁ。だいたいね、名作だって言われてるのは、ごく数分。ケイがマークを殺害して帰るときのドキドキと、最後のコロンボがモニターにおかしく映って犯行が暴かれるとき。それだけ。後はさ、全く必要ないわからないシーンが多すぎる。
・バレリーとのレズ関係(とも思われる怪しい関係)
・自分の生まれた家に行っての昔話
・コロンボがバレリーのいたスタジオのモニター室で遊んでいるところ
・ウォルターの映写室でフィルムを交換して失敗するところ。
マークとの関係もクリーニング屋で見つけたっていうところはまずまずだったけど。それよりもっとダイエットしなけりゃ。全く、アメリカのデフなおばさんみたくギトギトしすぎ。あ〜ぁ。

それにしてもこの殺人。何かケイにメリットありましたか?マークが生きていても死んでも、支局長のいすはもらえなかった。エミー賞までもらえる腕を持っているなら、とっととマークとなんか縁を切って、車もらって、違う局へ行けばよかったのに。なんかさ、ねとねととさ、マークをうらんだりして。そしておセンチにも自分の生まれた家に行って過去を振り返ったり。分からんね。

お楽しみコーナー
・今回も目玉は、クレーマー刑事。ン?でてこなかったって?その通り。刑事はアラビアの人みたいのが1人だけだったよね。じつは、コロンボのテレビを直している電気屋のオヤジがクレーマー刑事です。転職したのか、双子の兄弟なのか。声までそっくりだったもんな。
・NYに栄転となると、アメリカ人も喜ぶのね。ロサンジェルスじゃやっぱだめなのかなぁ。新庄も言ってたな「サンマさんも、NYで働けるって言ったら、お金じゃないでしょう?」って。そういうもんなのね。NYは東京なのか?ワシントンじゃないのね。中心は。
・ケイがピストルをエレベーターに隠す時と取る時、あの舌は色っぽくていいねぇ。あれは彼女の癖なのか?それとも演出なのか?後者ならすごいね。
・コロンボの若い時の憧れはディマジオだったこと。エ?ディマジオ知らない?ジョーディマジオ。NYヤンキースのバッターですよ。マリリンモンローの旦那さんだった人です。確か日本に新婚旅行に来てるはずですよね。

確かに無駄なシーンはたくさんあるとはいえ、何回もTVで再放送されているんだから、やっぱり、マークを殺してからのドキドキ、エレベーターに銃を隠すところ、最後のモニターにコロンボが映るところなんていうのは、子どもであった私にも鮮明に覚えてましたもん。(当時はNHKだった)そう考えると、視聴者に覚えても合えるよい作品、っていうことになりますかな?で、あるからして、評価は90点。作品自体は良くないけど、印象がよいから。さぁて、来週のコロンボは、またもやコロンボが殺されかける!!って言うお話です。

お楽しみに!後2つ!!

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