2002.1.1号 00:00配信
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『ルーサン警部の犯罪』(1976年製作)


今回の設定はなかなか面白かったですね。TVシリーズの中で名刑事といわれている人が実際の事件の犯人。まぁ、今なら、古畑任三郎の田村さんが実際に事件起こしちゃったってところですかね。田村さんはそんなことしないでしょうけど。お金に困ったらニコスでお買い物するでしょうしね。

俳優ウオード・ファウラーは、人気刑事番組「ルーサン警部」の主演スター。番組は高視聴率を上げテレビ界で最高のギャラを得ていた。しかしテレビ局はあまりにも多額のギャラを要求するルーサン警部を切り捨てようとする。そこで、ルーサン警部のプロデューサーのクレアは強行的に契約を取った。クレアはルーサン警部のギャラの半分をせしめているから当然のことだった。ルーサン警部はクレアに弱みを握られていた。そこでいつまでもギャラを半分も取られているのを苦々しく思ってルーサン警部は殺害を計画した。(確かこの前の「魔術師の幻想」でも弱みを握られていてギャラをふんだくられてたなぁ)クレアはトニーの店のサンドイッチが好きで(このレストランの主人は「死者の身代金」でもレストランの主人だった。そのときはコロンボにチリを出してたっけ)この夜もそこへ寄っていった。その夜、マネージャーのマークと一緒に野球を見る。マークを睡眠薬で眠らせておいて見ていた野球をビデオに撮る。ルーサン警部はスタジオの衣装部から帽子なんかを持ち出して物取りに変そう。トニーの店に行って、金を奪いトニーを気絶させクレアを撃つ。コレで成功。顔も見られてないし、変装した服装はごみとして捨てた。ルーサン警部は家に帰りビデオを再生し、マークを起こし、ほんの数分眠ってたかのように錯覚させる。アリバイ成功。さて、コロンボは、クレアの背中についていた弾のあとに疑いをもつ。服と背中の傷の位置が違うのだ。つまりクレアは両手を挙げていたときに撃たれたことになる。そんな物取りはいないし、まして、両手を挙げたまま走って逃げる人もいない。そして、変装の時にしていたマスクにどうらんがついていたことに注目し、ルーサン警部を疑う。ルーサン警部はクレアの夫に犯行をなすりつけようとするが、使用した銃に決定的な証拠があったのだ!それを突きつけられたルーサン警部はコロンボに「同情してくれるか?」と言い、コロンボは「同情してあげてもいいよ。」と冷たく言うのであった。

なるほど。こういう設定もあったのか、と感心させられるね。証拠もばっちりだし。設定といい証拠といい、全く申し分ない。しかし、面白くない。全く面白くない。なぜか?犯人役のウイリアム・シャトナーは「スタートレック」のカーク船長役でおなじみの人ではあるけどイマイチ演技がよくない。クレアも魅力に欠け、クレアの夫の愛人も変。流れもおかしい。途切れ途切れと言う感じが否めない。犬も出なければ、クレマー刑事もいない。
きっとこうなんだと思う。
設定は面白い。なぜって、来れはピーターフォークに対するあてつけの感が強い。彼はこのころになると多額のギャラを要求し、発言権を持ち、悪いことに高視聴率。全くこのルーサン警部と同じだったから。しかも、証拠が抜群。みんながあっと驚くはず。この2つでもうOKだったんだ。それさえあれば、いいんだってね。そういう時ってサ、あんまりいい作品できないんだよね。ましてこのとき、ピーターフォークは他の映画も撮ってたらしいし。載る着なかったと思うよ。全く精彩を欠いているもの。

お楽しみコーナーを書くほどのものはないけど・・・。

・最初にできてきたルーサン警部の撮影シーン。ルーサン警部を銃でうとうとする台詞とちった執事役のひとは、前回の犯人でしょ。名前忘れちゃったけど。
・ルーサン警部が衣装室から衣装を持ち出すシーン。黒いゴミ袋だったね。懐かしいね。今じゃ見かけないもんね。私の町でも半透明だよ。でも次のシーンじゃ、灰色のゴミ袋になってるんですけど気のせい?
・今じゃ当たり前のビデオデッキだけど、この当時(3000ドルっていってたなぁ。)では大金持ちの道楽だったんだろうね。今で考えるとなんでしょう?家庭用の3Dシアターって感じ?それともジンジャーか?
・ルーサン警部の家のドアの鍵が面白かった。あんなに頑丈にしないといけないのでしょうか。
・ところでこの家ね、お手伝いさんは?奥さんはいないの?そういうこと聞かなかったでしょ?何でかなぁ?アメリカのお金持ちってみんなお手伝いいるんじゃないの?

あのびりびりにむしりとったダウンジャケットから足がつくかと思ったけど、そうでもなかったね。今回はかなりつまんないので、評価は75点。見なくていいです。とは言うものの、次回もひどいんだよなぁ。年末の暇な時期でなかったら、原稿落ちも覚悟してもらうような作品なんです。お楽しみに。


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