2001.12.24号 07:00配信
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『さらば提督』(1976年製作)


今回のコロンボはね、何かなれなれしいんだな。犯人と思われる相手に肩組んだり座ってるところにわざわざ寄ってきたり、いつもと違うんだな。それはきっと理由があったんです。それはあとのほうで。

「提督」といわれる造船会社のオーナーのスワンソンさん。その会社の社長クレイさんは娘ジョアンナの夫だ。提督はクレイさんの金儲け主義のやり方にかなり不満をもっていた。提督は金より海を愛した人だったからだ。パーティのあった夜(何のパーティかは忘れちゃった)提督は自室で殺されてしまう。凶器はロープ止めのぼっこ。クレイさんはその指紋をぬぐい、死体を提督の船に乗せ提督に化けて船を操り、死体を海に放り込む。自分はダイビングで帰ってくる。入り江の監視員も、提督だと思ってるはず。コレでアリバイ成功。

提督の船が無人で見つかりコロンボ登場。自動操舵装置の不備で海に投げ出されたようであった。しかし、死体が発見されるとそうではなく、死体の肺に水が入っていなかったため海に落ちるかなり前に死んでいたことが判明。クレイさんの計画はもろくも崩れる。コロンボはクレイが犯人だと断定する。クレイさん危うし!しかーし。なんと、そのクレイさんが自室で殺されていた。共犯者が裏切ったのか?謎が謎を呼び、コロンボは提督の遺産相続について調べ真犯人の目星をつける。提督は(たいして美しくもないヨガの好きな)孫ほど年の離れているリサと結婚しようとしていた。リサは金目当てだとまわりに思われたくないため(と言ってたけどホントかね)遺言を書き換えさせ、娘のジョアンナに少しだけ信託財産(よく出てくるね)を残し、あとは寄付するようにさせた。犯人は提督をころし、その罪をジョアンナに着せようとした。偶然(?)死体を見つけたクレイさんは、ジョアンナの仕業だと思い、愛情よりも遺産目当てで死体遺棄をしたのだ。カルフォル二アの法律では、ジョアンナが犯人なら遺産が全く手に入らないから、事故死にしようとしたのだった。つまり、クレイさんは提督が遺書を書き換えたことを知らなかった。では誰が犯人なのか?それは見てのお楽しみ。

あのね。何で、今回コロンボの様子が変だったかっていうと、この当時、あまりにも制作費が高騰しユニバーサル(スタジオジャパン持ってるあそこね)がもうやめたかったらしいよ。あんまり儲けないんで。でも視聴者の声でまだ続くようになるんだけど。それでね、今回コロンボは何かおかしかったんだ。ラストのシーンなんてさ、コロンボがボートに乗って海に漕ぎ出していくんだ。そこで、いつものクレイマー刑事が「(タバコを)やめないんですか?」と聞くと、海の向こうから「まだまだ。まだ、止められませんよ。もうちょっとだけやらせてもらうよ。もうちょい。」という。放送された当時は、コロンボ(って言うかピーターフォーク)にはかなりの映画の予定が入っていたらしい。まぁ、やるかもしれないけど、一応ここでおしまいね、って感じを出したらしいよ。このシーンはいいんだけど。

お楽しみコーナー
・今回も相棒が。いつものクレイマー刑事は置いといて。「アルビンスキィ」なる若者刑事。通称マック。このマック刑事は、全く毒がなく、前作のウイルソン刑事とは違ってかっこいい。でも記憶に残らない。さみしい刑事。
・マック刑事はコロンボを尊敬しているらしく、最後にコートを持ち歩く。コロンボは「降ると思ってんのか?マック?」と冗談で聞き、マックは「持っていると安心なんですよ。警部。」と微笑む。美しいねぇ。ここでも最終回っぽいでしょ?
・最初犯人だと思っていたクレイさん。この人どっかで犯人役してたなぁ、っとおもったら、あれ、つい何作か前の船の事件の犯人でした。どちらも、美しいとも思えない悪女につかまって苦労してますな。かわいそうに。
・それと弁護士のお爺さん。この人この年でありながら、見知らぬ女性と一夜をともにしてたっていってな。いいなぁ。でもこの人。「ロンドンのかさ」でも召使やってたな。そういう役どころなんでしょうなぁ。
・今回はコロンボの葉巻をやるところが最後しか見られない。でもクレイマー刑事はいつも「タバコ」って言ってるけど、アメリカじゃ葉巻もタバコもおんなじなのかな?シガレットなの?
・マック刑事に向って「アイルランド入ってる?」と何度も聞くけど、マックならアイルランド人なのか?マクガイヤーやポールマッカートニーなんかもアイルランド人なのかしらん?今話題のハリーポッターもアイルランドだよね。

今回の謎解き。最終回らしく、アガサクリスティのポワロ張りの容疑者を一堂に集めて謎解きをするんです。珍しいでしょ。まぁ、最終回だから。でもさ、ここまでは映画風で良かったんだ。クレイさんが犯人だと思っていたらそうでなくて、提督がリサと結婚するなんて誰も知らない真実をつき付けられたりして。んー。ミステリー風。でもさ、最後の鍵が時計じゃ、ねェ。何か引っ掛けと言うか、こじつけと言うか、誘導尋問と言うか。犯人はあれで堪忍したのか?疑問。まぁ、最終回だから。この前志村けんも言ってたけどさ、「全員集合」の最終回の時は「カトちゃんケンちゃん」が始まるって分かってたからたいして感慨もひとしおってことにはならなかったって。コロンボもこの後、自分が主役の映画作るからもうどうでも良くなっていたのかも。多分、「ブリンクス」か「名探偵登場」かなぁ?眉唾だけど。

本当の最終回ではなかったにしろ、なかなかかなりの力作ではありました。でも評価は低く79点ぐらい。合格までいってません。最後がダメ。あれじゃなんだか分からんもん。ただ、これからの3作のことを思うと、もう少し点数あげてもいいかな。次から3作はかなりの駄作。もうすでに80点以下は目に見えてるので、書く気もうせてしまう。まぁ、天候しだいかな。あんまり寒いとVTR仕方なく見るかも。


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