2001.10.29号 07:00配信
Home


『歌声の消えた海』(1975年製作)


子どものころね、この作品をTVで見た記憶があるの。確か「いや〜。映画って本当、素晴らしいですよね。」の水野さんの番組だったから、金曜ロードショーだったのかもしれないな。いつものごとくコロンボ楽しんで、最後に水野さんが「最後にコロンボが犯人を追いつめた証拠の指紋のことですが、専門家の人に聞きますとあれでは正確の指紋は出てこないらしいんですね。裁判になったら証拠にはならないそうです。」(確かこんな感じ。正確にはどういったのか?20年以上前のことだから・・・。)と言っていたのがすごく記憶として残っているんですよ。あぁ、コロンボって正確じゃないんだと。子供心に思ったんですな。この「コロンボに物申す」の原型は、この作品にあり!って行っても過言じゃありませんよ。

コロンボの奥さん(うちのカミサン)が「缶詰を買ってメキシコに行こう」のキャンペーンで大当たり。めでたくご夫婦で豪華客船でメキシコのたびへ出かける。そこで運悪く(どっちが?きっと犯人)殺人事件に出くわす。カーディーラーのダンジガーさんは、同じ客船に乗っているバンドのシンガー(ロザンナ)に関係(もちろん男女のね)をばらすといわれお金を要求される。ばらされたら、かなりの年の差を我慢してお金のために結婚した奥さんと別れなけりゃならない。そこで計画殺人(コロンボも言ってるけどね)を敢行する。まず、プールサイドで薬品を使って、心臓発作に似たような症状を起こし、医務室に運ばれる。ロザンナがショーの合間に自室に戻ってきたところをサイレンサー代わりに枕越しからズドン。自分のアリバイは出来ている(医務室で寝てることになってる)し手術用の手袋を使ったので指紋も残らない。ロザンナの鏡に「L」の文字をつけて、バンドのピアニストのロイドに罪を着せたし。銃の領収書まで置いておく念の入れよう。コレで完璧。
しかし、船酔いで医務室に来たコロンボは、枕の羽を医務室で見つける。医務室の枕は羽枕じゃない。その医務室に横になっていたのは、ダンジガー。そこで、もうコロンボは犯人のめぼしは着いた。そこから証拠探し。心臓発作のからくり、犯行が行われた時間に急に血圧が上昇していること、経費で落とせない銃の領収書があったこと、ショーの合間に自室に帰ることを知っていたこと、ロイドとの関係を知っていたこと、などなど。コロンボはダンジガーに手袋が見つかれば、硝煙反応でロイドの犯行だと断定できる有効な証拠となると、罠をかける。罠とも知らずダンジガーは手品で使う銃で、一発うち手袋に硝煙反応を着け、消化ホースに隠す。翌日の消防訓練で手袋発見。だが、コロンボは硝煙反応ではなく、裏側にある指紋を調べる。ゴムだからはっきり着いているとコロンボは言う。(ここが物申すの原点ね)そこで、ダンジガーさん観念し御用。めでたしめでたし。

とね。見た当時はかなり納得したんですよ。あぁゴムには指紋がつくんだって。そしたらサ、水野さんは「正確には出ません」って言うし。もちろん水野さんの言うことを信用しましたよ。だって、コロンボは実在してない刑事だもん。専門家の人はいったんなら、本当でしょう。と思ってたんだ。今でも真偽のほどは分からないけどね。

今回のお楽しみコーナー
・いきなりテロップが流れるところからコロンボ登場。しかも、事件とは何にも関係ないところで。いいね。でも風貌はいつもと一緒。
・はじめの消防訓練の時の船内放送の声が、「宇宙戦艦ヤマト」の古代進の声でサ、緊張したよ。またガミラス艦隊がやってきたのかと思ったよ。(笑)
・ダンジガーさんが医務室で横になってると、(今回は昆虫顔ではない)看護婦さんがいきなりタバコに火をつけスパスパ。しかもライターはジッポー。付け方も手馴れたもの。時代だね。
・殺されたお色気たっぷり、おっぱい見えそうなギリギリ衣装のロザンナさんが歌っていた曲は、キリン端麗生でおなじみの(ほれ、マリナーズ佐々木がでてるやつ)「ボーラレ。ボーロ。」って歌うやつでした。CMではジプシーキングス(そらみみでおなじみ)でしたが、本場はあのようにゆっくり歌うんですな。皆さんリラックスムードでした。
・休憩中に、ロザンナを追いかけたロイドさんがエレベーターに乗ろうとしたシーン。んー。アメリカはレディーファーストの国だったんだと、思い知らされますよ。あんな光景日本じゃ見たことないもん。
・で、ロザンナさんがいたっていた時のバンドのベースを弾いていて人は左利きだったのに、休憩はさんで白い衣装でやってる時は右利きになっていた。んー。両利きでベース弾く必要あったのかな?それともこのバンド、ベーシストが2人いるの?
・ダンジガーさんが医務室から、ロザンナを殺しに出かける階段のシーンは、同じフィルムの使いまわし。珍しいですよ。コロンボはめったに使いまわししないから。きっと、船内で撮影したので、時間なかったから?
・船長さんの声がなんと、柳生博さん。豪華ですよね。「100万円!!クイズハンター。ハンターチャンスワン。」といってほしかった。(なんのこっちゃ?)

さてさて、今回もコロンボの思ったとおりに事が進んで、スッキリ見れた。この前さ、「インディージョーンズ」見たらハラハラのしどうしで、疲れちゃった。やっぱコロンボのように、リラックスしてみる番組がほしいなあ。ということで、今回事件的には、穴だらけの犯行でしたが、コロンボのアロハシャツ(なのかな?地味なシャツでした)姿も見れたし、コロンボの奥さんが見れるのかとドキドキした点も考慮して96点。ミステリーとしては良くないけど、娯楽番組としたらいいよ。それで、この続きがあってね。メキシコに行っても事件に巻き込まれるんだ。それはもうちょっとあと。次回はちょっと駄作。お金持ちの話です。



コロンボのインデックス




Home
(C) 2001 webnews
ご意見・ご感想・お問い合わせはwebmaster@webnews.gr.jpまで