2001.10.15号 07:00配信
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『逆転の構図』(1974年製作)


今回の犯人もかなりコロンボを嫌って邪険な態度をとってましたが、そんなことをすると、必ずコロンボは最後に鉄拳をお見舞いするのです。今回も1時間30分見て「え〜。まずいんじゃない?」と我々を思わせといて、最後にガツーン・・・。やられました。

ピューリッツァ賞に輝く、高名な写真家ガレスコ氏。彼は15年も連れ添わされた欲張りな奥さんをかなり憎んでいた。(白鳥の歌の魂の十字軍の、あのおばさんよりいいけどねぇ。憎むっていうか、若い姉ちゃんがよかったんだと思うな)そこで、刑務所帰りのタシュラーに農家の空家を買わせ、自分は奥さんをその空家に連れて行き殺害する。そしてタシュラーから自宅に電話をかけさせ誘拐を装う。もちろん共犯のタシュラーは、廃車場に呼び出してズドン。こうしてガレスコはタシュラーが妻を誘拐し脅迫され身代金を持ってきたときに格闘し正当防衛で仕方なくタシュラーを撃ったと言う筋書きがばっちり決まった。普通の刑事はしょうがないとみたが、われらのコロンボはそうじゃない。まず、タシュラーに殺人の前科がないこと。コロンボは以前「私は動機主義でね。」といっていたがまさにそれ。タシュラーにはガレスコの奥さんを殺す動機がない。もちろんお金は必要だけど、殺さなくてもいいわけでしょう?それに刑務所帰りの男に農場を買う金は持っていないはず。次に酔っ払いの浮浪者の証言により一発目とニ発目の間にタイムラグがあったこと。それに、身代金の受け渡しの時間に遅れたこと。コレはまずかったな。コロンボでなくたっておかしいって思うよ。身代金の受け渡しって誘拐じゃ一番難しいだろ?太陽にほえろでもそう言ってたよ。そして、タシュラーの部屋に新聞の切れ端がないこと。コロンボは、ガレスコが犯人だと決めて、警察に呼び、決定的な写真を提示する。しかしコレが・・・。最後の最後でビックリする結末。コロンボが「残念でしたね。」というところが、この犯人をかなり憎んでた様子がわかる。

今回の作品は、結構TVで放送されたから、見た人もいるんじゃないかな?まぁ、そういう作品って、いい作品なんだよね。コレもそんなに悪くない。でもね。犯人さ、頭よさそうでそうでもないね。ことごとくコロンボに突っ込まれて、最後には怒って「訴えるぞ!」だって。人間怒ったら終わりよ。最後まで、コロンボを追い詰めなけりゃ。まぁ、いつも犯人の自供で終わりって言うのが多いコロンボの中では、珍しく犯人の行動で終結すると言う点では見る価値あるかも。それにいつものごとく動機が情けない(奥さんが欲張りで意地悪だから殺しましたって・・・ねぇ。)けど、男と女のかかわりって深いんだよね。簡単に日本みたく離婚できないんでしょ?多額な慰謝料をふんだくられるよね。ガレスコ氏は金持ちだし。でも、受付のおねぇちゃん綺麗だったかい?私は、またもや「昆虫顔」と見たけど。しかも付け髭って簡単に分かるでしょ。なんかさ、もっとないのかいって。

今回のお楽しみは結構いいよ。
・コロンボが浮浪者に会いに行く時、そこの協会のシスターに本物の浮浪者と間違えられるところ。シスターってかなり皆さんに尊敬されてるんでしょうかね。あのいい声の(スーパーマリオみたいな)浮浪者がいちいち立ってシスターにあいさつしてたもんね。
・で、そのシスターに変装だと思われたところ。コレがいいよね。ホント。
・自動車教習所の教官を自分の車に乗せるところ。別におかしくないんだけど、「キコキコ」と変な音が聞こえ、毎回気になっていたコロンボの自動車の本当の音が聞こえたような気がする。きっと本物の音でしょうなあぁ。
・コロンボが警察署の中にいる時間が長いこと。電話もかけてるし、ほかの刑事に「気になって眠れない」性分だといってるところも良かった。結構あるもんですね。コロンボが警察の中にいることって。以前「コロンボが警察の中で仕事するのは珍しい」なんて書いてしまって、反省してます。

なんかね、最近の作品は「あ、あともいひとつだけ」って言う場面が多いような気がする。コロンボのトレードマークだけど、コレって絶対わざとだよね。何回もやりすぎだね。毎回スペシューム光線を出しているようだもん。ありがたみが薄れる。相手が嫌がる質問とかさ。なんかうんざりしてきたなぁ。

作品的にはいいんだろうし、最後のコロンボなんてとってもいい味出してるんだけど、なんかピリッとしてないんだな。塩コショウが利いてないスープのようだ。で、80点。可もなく不可もなく。しかーし。次回の作品はいいぞ。私のベストと思ってる作品。でも実際じっくり見たらそうでもないかな?初恋の人には会わないほうがいいのかも。では次週を待て。



コロンボのインデックス




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