2001.8.20号 07:00配信
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『別れのワイン』(1973年製作)


今回の作品は、何度もTVで再放送されている有名な作品なので知っている方も多いと思いますが、それほどいい作品なのです。もちろんラストシーンのビックリ度では「二枚のドガの絵」「溶ける糸」には全く太刀打ちできませんが、全体的に優れた作品です。前作の「毒のある花」と同じシリーズだって信じられないほど。いつもコロンボの犯人って金持ちだったりインテリだったり地位の高い人だったりでちょっと同情できない(「偶像のレクイエム」のノーラは別)人が多かったけどこんないの犯人のエイドリアンにはちょっと同情しちゃうかな。

さて、ワインを何よりも愛するエイドリアンは、自分のワイン工場を安売り王のマリノ酒造に売り払ってしまおうとする弟を突発的に殴り殺してしまう。その死体(じゃないんだよね、あれは仮死状態なのかな?)を縛ってワインセーラーに入れてエアコンを切って閉じ込める。すると仮死状態の弟はエイドリアンがニューヨークへ行っている間に窒息死するので完璧なアリバイが出来ると。そして、1週間後帰ってきて、弟をウエットスーツに着替えさせダイビング中に死んだという工作をする。しかし、40度近い記録的な暑さのせいでワインが全部傷んでしまい、それで犯行がばれてしまう。そのワインが傷んだってことは世界で2〜3人しか分からない微妙な感覚らしい。微妙か感覚のもち主であったがために犯行がばれてしまうなんて悲しいね。CMでも言ってたけど、「知らない方が幸せなこともある BYシェークスピア」ってね。

でもね。40度にもなるってことはさ、夏でしょ。命の次に大切なワインのエアコンを切るかなあ?40度にならなくても暑さにはダメなんでしょ。ワインって。だって、1本5000ドル(あの当時は1ドル360円だから180万円!!)のがあったりするんでしょ。殺人犯になるかワインを守るかっていったら、エイドリアンならワインを守るでしょう?そういう人だもの。そこがこの作者間違ってるなあ。しかもね、弟が死んだって言われている火曜日には驟雨(シュウウ 夕立のこと)で1日中雨。待てよ。この数日すんごい暑い日があったり、驟雨があってめまぐるしく天気が変わったのね。ロサンゼルスって西海岸でしょ。そんな気候は考えずらいですよね。日本じゃないんだから。だって、イチローのいるシアトルマリナーズの試合が雨で中止になったって聞いた事ある?ないしょ。雨降りずらいはずなんだがねえ。ちょっと無理があるかな?

それと、大変おもしろいシーンがあったので、ご紹介しときますね。
コロンボが死体の発見された海岸に着いた時のこと。
警官が火の着いていない葉巻をくわえているコロンボを見て「火をつけましょうか?」と聞く。するとコロンボは、「節煙中だから。」といって拒む。警官は盛んに被害者の車をほめている時に我慢できなくなったのかコロンボが自分のコートをまさぐる。そして警官に「マッチある?」と聞く。すると警官は「ありません。」と答える。おかしいでしょ。始めに火をつけましょうか?って聞いてるのにマッチは持ってないと平気で答える。あぁ。ライターなら持ってたのかなあ?そんなことないよね。でね。よく見ると、コロンボはマッチを捜しているんじゃなくて、鉛筆を探しているようなんだなあ。翻訳する人ちゃんと訳してよね。それって、英語版を見たら分かるってことなのかな?もしかしてDVDを買いなさいって言うことかなあ。

今回の作品はトリックを見破ったりする面白さではなく、登場する人物が良かったんだね。なんてったってこのエイドリアンの声。吹き替えの人(中村俊一さん)が素晴らしい。本当にこの人が言ってるように聞こえるもん。顔と声がこんなに一致しているからこそ感情が入り込めるのかなあ。このエイドリアンさんは「大脱走」や「007」にも出ている有名な人らしい。そのときも吹き替えは中村俊一さんなのかなぁ。興味そそりますね。

評価はね99.2点。100点はつけられないんだよね。うしろに名作が2作残ってるからね、それを見てまた評価しなおしますよ。その名作は後1ヶ月後かな?


コロンボのインデックス




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