2001.7.2号 07:00配信
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『アリバイのダイヤル』(1972年製作)


コロンボはかなり勘のいいひとで、確か「構想の死角」では相棒が死んだって言うのに車で帰ってきたことに疑問を持ち、「もう一つの鍵」では来るはずのない新聞に疑問を持ったりしましたよね。何かしら、私たちに「あぁ、なるほど。それで、コロンボはこの人が犯人こもしれないって決めたのか。」と思わせるのですよ。そこがコロンボのいいところで、それから、どうやってその犯人に迫っていくのかが楽しいんですよね。

しかし、今回の事件はどうでしょう。果たしてコロンボは私たちに教えてくれましたか?ハンロンが犯人だって。何もないですよね、はっきりした「疑問」が。確かにプールサイドの水が水道の水で、プールのではなかったことは知らせてくれましたが。それだけでしょ。殺人の動機も、氷の塊で頭を打ったことも、証人も、ましてや証拠(凶器)もない。ただ、ハンロンのアリバイを崩しただけでしょ。何かっこつけて、ハンロンをにらみつけたんでしょう?ハンロンが、スタジアムにいたことだけは証明できたけど、エリックを殺した証拠はどこにもない。裁判では「無罪」だ。「疑わしきは罰せず」です。

まあ、「今回はアリバイ崩しをお見せしました。だって題名もそうなってるでしょう?」ってことですかね。それにしたって、今回の内容は弱い。弱すぎる。「指輪の爪あと」で、憎たらしい犯人役を演じたロバートカルプも、今回は、なんか怒鳴ってばかり。コロンボとの会話も面白くない。面白かった会話といえば、コロンボが「立ち入った話」をはげの弁護士に聞いた「靴のこと」ぐらいだった。

ところで、現在日本人はイチローや新庄の人気でメジャーリーグに人気が集中しているけど、本場アメリカでは、メジャーリーグはそんなに人気がない。人気球団同士の試合ならお客も入るけど、BSで見ても空席がありますよね。それよりも、NBA(バスケット)のほうが人気があります。そして、それよりも爆発的な人気があるのが、NFL(アメリカンフットボール)です。日本ではさっぱりですけど、実際アメリカでは観光客には(地元の人でさえ)ほとんどチケットが買えないぐらい人気があるスポーツです。そのアメフトが今回の舞台。じっくりとアメリカ人のNFLに対する熱狂振りをご覧下さい。スタジアムにビックリするぐらいお客が入ってるから。あぁ、評価ね。忘れてた。さっぱりドキドキしないけど、最後のアリバイ崩しは見事だったので、78点。やさしいなあ。


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