2000.4.18号 08:00配信


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織物作家・佐藤千織さんのコーナー
千織の織物工房
Chiori Sato Textile Workshop


季節のある「窓」

私の住む街では今年も満開の桜の花が咲き、今はもうすっかり葉桜になってしまいました。これから、新緑のきれいな季節がやってきますね。こうして夏になり、また木々の葉の色づく秋が来て…というように日々少しずつ変化していく季節の移り変わりは、私たちの生活に豊かで人間らしい感性を与えてくれているんですね。

夏の窓
私が4年程住んでいたフィンランドでは、春と秋は本当に短くて、見過ごしてしまいそうなほど、駈け足で通り過ぎてしまいます。長くて暗い冬と、太陽のほとんど沈まない明るい夏とのあいだの、雪解けと芽吹きがいっしょにやってくるフィンランドの「春」は、5月です。北海道の春と同じ頃かもしれませんね。

秋の窓
私のフィンランド滞在1年目は、学生寮に住んでいたのですが、その部屋の大きな窓から見ていた外の景色は、今でも忘れることができません。白樺の林が目の前に広がる静かな場所で、1年間をとおして季節の移り変わっていくのを静かに、ゆっくりと感じることができました。あの部屋の大きな窓のそばで、ぼんやりと外を眺めていた時間は、今となってはとても貴重なものになってしまいました。いつか、自分の「窓」が持てる日が来るならば、こんな季節を映してくれる「窓」がいいな…と、時々思い出しています。

冬の窓
佐藤 千織  16/04/00 


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